台湾国民党の鄭麗文主席、トランプ氏ら要人に会えず訪米不発…米側は「中国の代理人」と受け止め
【台北=園田将嗣、ワシントン=向井ゆう子】米国を訪問している台湾の最大野党・国民党の鄭麗文(ジョンリーウェン)主席は12日、現地での主要日程を終えた。
4月に北京で中国の習近平(シージンピン)国家主席と会談したことに続き、米国のトランプ大統領や政権要人と会って存在感を示す算段だったが、超党派議員や学者らとの接触が中心となり、不発に終わった。
「『真の国民党』と『本当の私』を理解してもらうことができた。誤解を解くのに役立った」。鄭氏は12日、ワシントンのホテルで記者会見を開き、訪米の成果を強調した。外交・安全保障などに関わる超党派の上下院議員9人や学者らと会談したという。
鄭氏は、トランプ氏が「台湾独立」を望まない考えを示したことは「国民党の立場と一致している」と強調した。民進党の頼清徳(ライチンドォー)政権ではなく、中国との交流を通じて台湾海峡の安定を目指す国民党こそが、米国の考えに近いと示す狙いがある。
民進党出身の鄭氏は、国民党内の基盤が盤石ではない。習氏との会談後に発表された、美麗島電子報の4月の世論調査では、鄭氏への信頼度は31・5%と前月から7・6ポイント上昇し、存在感が高まった。
鄭氏は今回の訪米でトランプ政権の要人と会談して自身の親中色を薄める一方、米中双方の首脳と対話できるリーダーだと示す意図があったとみられる。訪米前の記者会見では、トランプ氏との会談に「非常に前向きだ」と語っていた。
ただ、鄭氏は訪米中も「『台湾独立』のレッドラインを越えない限り、両岸の平和と安定は維持される」と述べるなど、中国の主張に沿う発言が目立った。
米政府関係者によると、国務省や国防総省の担当者がワシントン郊外で鄭氏と会談したものの、鄭氏側が希望した米国家安全保障会議(NSC)幹部との会談は見送られた。米側は鄭氏を「事実上、中国の代理人として振る舞っている」(米台筋)と受け止めており、鄭氏のもくろみは外れた格好だ。
