中国の有人宇宙船「神舟22号」が「神舟21号」のクルーを乗せて地球に帰還
CMSA(中国載人航天工程弁公室、中国有人宇宙プロジェクト弁公室)は2026年5月29日付で、有人宇宙船「神舟21号」のクルーが別の宇宙船「神舟22号」で無事帰還したことを発表しました。
中国人宇宙飛行士の最長連続宇宙滞在記録を更新
帰還したのは、張陸(ちょう・りく)宇宙飛行士、武飛(ぶ・ひ)宇宙飛行士、張洪章(ちょう・こうしょう)宇宙飛行士です。
3名を乗せた神舟22号は日本時間2026年5月29日15時44分にCSS(中国宇宙ステーション)「天宮」を離脱。軌道モジュールと推進モジュールを切り離して大気圏に再突入した帰還モジュールは、日本時間同日21時11分に中国・内モンゴル自治区の東風着陸場へ着陸することに成功しました。
CMSAによると、3名とも健康状態は良好で、翌5月30日に北京へ到着しました。また、今回のミッションで3名は軌道上で210日間を過ごし、中国人宇宙飛行士による最長連続宇宙滞在記録を更新したということです。


宇宙船の緊急打ち上げや乗船の変更を経験
3名はもともと2025年11月1月に打ち上げられた神舟21号でCSSに到着し、帰還にも同じ宇宙船を使用する予定でした。
しかし、2025年4月から滞在していた「神舟20号」のクルーが交代後に帰還する予定だった同年11月5日、CMSAは神舟20号にスペースデブリ(宇宙ゴミ)が衝突した可能性があるとして、帰還延期を発表。神舟20号のクルーは神舟21号を使用して、9日遅れの同年11月14日に地球へ帰還しています。
中国が宇宙船「神舟20号」の帰還を延期 スペースデブリが衝突した可能性(2025年11月6日)中国の宇宙船「神舟21号」が「神舟20号」のクルーを乗せて地球に帰還 その理由は(2025年11月14日)
一方、宇宙船を譲る形になった神舟21号のクルーのもとには、同年11月25日に神舟22号が無人で打ち上げられ、CSSに到着しました。神舟21号のクルーは緊急対応としての宇宙船交換や打ち上げをはじめ、神舟20号の損傷箇所の撮影を含む3回の船外活動など、中国の宇宙開発における重要な局面を自ら体験することになりました。
中国が宇宙船「神舟22号」を無人で打ち上げ 3時間半後に中国宇宙ステーションへ到着(2025年11月28日)
“想定外の理由により別の宇宙船で帰還” はISSでも
当初から往復で別の宇宙船を使用することは予定しておらず、想定外の理由で帰路に別の宇宙船を使用することになった事例は、ISS(国際宇宙ステーション)でも起きています。
2022年12月には、ロシアの宇宙船「Soyuz(ソユーズ)MS-22」で冷却剤が漏洩するトラブルが発生。クルーはSoyuz MS-22を帰還に使用せず、2023年2月に無人でISSに到着した「Soyuz MS-23」に搭乗し、同年9月に帰還しました。
ロシアの宇宙船「ソユーズMS-23」3名の宇宙飛行士を乗せて地球に無事帰還(2023年10月2日)無人のソユーズMS-23宇宙船がISSとのドッキングに成功 損傷した宇宙船と入れ替え(2023年2月28日)
また2024年には、有人飛行試験でISSに到着したBoeing(ボーイング)社の宇宙船「Starliner(スターライナー)」でスラスターのトラブルが発生し、同船でISSに到着した宇宙飛行士の帰還に使用されなかったことがありました。
搭乗していた2名の宇宙飛行士は2024年6月から2025年3月までISSに滞在し、SpaceX(スペースX)社の宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」で帰還しています。
NASA有人宇宙飛行ミッション「Crew-9」の宇宙船が帰還 予期せぬ長期滞在となった2名も搭乗(2025年3月19日)ボーイング新型宇宙船「スターライナー」ISSから無人で帰還(2024年9月7日)
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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