知的財産を企業の「稼ぐ力」に、コンテンツ産業への公的投資「5年で5000億円以上」に拡大求める…自民知財戦略調査会が提言案
自民党知的財産戦略調査会がまとめた知財戦略の提言案が判明した。
アニメやゲームなどのコンテンツ分野を成長産業として育成するため、公的投資を今後5年で5000億円以上に拡大するよう求める。特許や著作権などの知的財産を企業の「稼ぐ力」の向上につなげるため、各企業の有価証券報告書で知財を開示する制度創設も盛り込んだ。
調査会は近く提言を政府に提出する。政府は知財戦略本部(本部長・高市首相)で6月にも取りまとめる「知財推進計画」に、提言内容を反映させる方針だ。
提言案では、現状について「『技術で勝ってビジネスで負ける』状況が繰り返されてきた」とし、知財の価値を再評価して保護を世界水準に引き上げるよう訴えた。その上で、知財戦略を政府の成長戦略と経済安全保障政策の根幹に据えるよう求めている。
コンテンツ産業については国内市場規模が13・3兆円(2023年)に上り、海外での売り上げも5・8兆円に急成長する中、「複数年の支援を含めた大規模・長期・戦略的な官民投資を推進」する重要性を示した。ゲーム、アニメ、マンガ、音楽、実写(映像)の5分野について、海外展開を支える枠組みの整備も提案している。
また、提言案は、日本発の技術の国際標準化を重視し、ロードマップ(工程表)を策定して官民を挙げて取り組むべきだとした。日本発の国際標準規格となった「QRコード」などの例が念頭にあり、司令塔機能強化のため、政策を統括する「標準戦略監」(仮称)のポストを政府で新設することも要求した。
有価証券報告書での知財の開示を求めるのは、米国企業などが知財で企業価値を向上させているためで、ビジネスモデルの中核に位置付けるべきだと指摘した。
人工知能(AI)の急速な普及を受けた権利保護の取り組みも重視する。キャラクターなどの海賊版の流通を防ぐための対策の予算拡充に加え、知財権侵害に対して被害回復と侵害者の利益を奪うための法整備の推進も唱える。
