SpaceXのロケット、このままだと月に激突? 問われる民間宇宙企業のモラル
宇宙事業の盛り上がりとともに、どんどん混み合っていく地球低軌道。そこには、データを収集しているものもあれば、すでにゴミとなってしまったもの、本来は地球に帰還するはずが戻れないでいるものなどいろいろです。
SapceXの2段式ロケット、ファルコン9の上部は、まさにそんな戻るはずが戻れなかったもの。今、これが月に激突するリスクが指摘されています。
8月に月に激突
地球に帰還できないまま地球低軌道を浮遊するファルコンの危険性を指摘しているのは、宇宙の軌道解析を行うBill Gray氏。自身が開発したトラッキングシステムProject Plutoで、ファルコン9の今後の動きを予想したところ、今年の8月に月面に衝突する可能性があると語っています。
Grayさんのシステムによる予想はかなり細かく、衝突は東部標準時でで8月5日の午前2時44分。日本時間では5日の午後3時44分。衝突スピードは時速8,700キロ。衝突エリアは月のこちら側で、8月5日が近づくにつれ、衝突する場所もわかるだろうと言います。ただし、地球から見ることは不可能。
グルグルと浮遊するファルコン9
ファルコン9が打ち上げられたのは、2025年1月15日。NASAのケネディー宇宙センターからの打ち上げで、民間宇宙企業Firefly Aerospaceの月着陸機Blue Ghostと日本の宇宙企業ispaceのResilienceを貨物としてのせており、両方を無事月に送り届けています(が、Resilienceは着陸でクラッシュしてミッション終了。Blue Ghostは着陸に成功しデータ収集を行なっています)。
で、この荷物を送り届けたあと、ファルコン9の上部は大気圏に再突入する予定も、できず。地球軌道をぐるぐると回りつづけており、Grayさんはこの様子を観測しています。今年2月の時点で、1,053回観測されており、26日で一周、地球から最も近い地点では22万キロ、最も遠い地点では51万キロにあることがわかりました。この最も遠い地点がシスルナ空間と言われる月と地球の重力影響下にあるエリアに入ります。
地球への影響は?
ファルコン9上部が月に衝突した場合、地球への影響はあるのでしょうか。Grayさんいわく、地球、そして地球人への影響はなし。月面へも大きな影響はないといいます。
しかし、もし、地球人の知らない世界が、生命が月にあったら…、その被害はどれほどなのでしょう…。
地球への影響はないとはいえ、Grayさんは指摘するのは、地球低軌道への、そしてそこにある宇宙ゴミへの意識の低さです。民間宇宙事業の成長とともに、地球人としての宇宙空間への責任ともっと真摯に考える必要があります。
Source: Project Pluto

