星は兄弟の思いも背負い、中国戦へ闘志を燃やす。写真:松尾祐希

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 U-17アジアカップに参加しているU-17日本代表は現地5月7日、サウジアラビアのジェッダ市内でトレーニングを行なった。初戦となった5日のカタール戦は3−1で逆転勝利。グループステージの各組上位2か国に与えられる今秋のU-17ワールドカップ出場に向け、幸先の良いスタートを切ったのは間違いない(W杯のホスト国・カタールが上位2位以内に入った場合は、各組3位の最上位に出場権が与えられる)。

 試合翌日のリカバリーを経て迎えたこの日は全選手がグラウンドに顔を出し、約1時間半のメニューを順調に消化した。

 こうしたアンダーカテゴリーのアジアカップは、中2日でグループステージを戦うケースが多いが、今回は初戦と第2戦の間だけ中3日となる。サウジアラビアリーグのキングスカップの決勝が8日に開催される影響で、通常よりも1日多く休養日が設定されており、9日の中国戦に向けてより良いコンディションで迎えられるのはプラスの材料だろう。

 中国に勝てばU-17W杯出場へ大きく前進するなかで、次戦に向けて闘志を燃やしているのがMF星宗介(尚志高/3年)だ。

 黒子役タイプのボランチでボール奪取能力に長けており、豊富な運動量を武器に潰し屋として汗をかく。小野信義監督が率いる若き日本代表において、その武器は際立っており、ほかの選手にないキャラクターで、チームでも稀有な存在だ。

 カタール戦はベンチスタートとなり、最後まで出番はなし。だが、モチベーションを高めており、アジアの厳しさを踏まえたうえで意気込みをこう口にする。

「最初に出てくるのは試合に出たかったという気持ちで、本当に悔しかった。でも、試合中はチームのためにできることを考えていて、試合が終わったら切り替えて次の試合に向けて練習ができた。初戦を外から見ていてアジアの戦いは難しいと感じさせられたし、ゴールを最終的に取れたけど、決めきれないところは自分たちの課題。次の試合はもっと得点が取れるようにしたいと思う」
 
 星は昨冬の高円宮杯U-18プレミアリーグ参入プレーオフで飛躍のきっかけを掴み、高校サッカー選手権でチームの4強入りに貢献してブレイク。早生まれの恩恵を受け、昨年2月に広島で行なわれたバルコムカップで初めて代表に招集された。そこでアピールに成功し、3月のアルゼンチン遠征を経て今回のメンバー入りを勝ち取った。

 アジアの戦いに足を踏み入れた星。今大会を闘うにあたっては兄弟の想いも背負ってサウジアラビアの地に乗り込んでいる。

 長兄は矢板中央で選手権に出場し、現在は鳥取でプレーする星景虎。2歳年上の次兄・星慶次郎も尚志で冬の大舞台を経験して現在は東海大で研鑽を積む。そうしたサッカー一家で育ち、兄弟全員が選手権のピッチを踏んだが、アジアの舞台に立ったのは末っ子の自分だけ。大会前には兄たちからエールを送られており、家族への想いも再確認した。だからこそ、最高のプレーで恩返しをしたいとも誓う。

「1個のミスでやられるようなことが起きる。一つひとつ丁寧にプレーして、自分の武器である守備力をしっかり出したい」とは星の言葉。中国戦に向けて油断はない。ロールモデルであるMF佐野海舟(マインツ)のように守備で違いを作る選手を目ざすべく、まずは第2戦に照準を合わせて準備を進めていく。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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