【試乗】経年で摩耗してもこのウエット性能! ブリヂストンが自信満々で送り出した新スタンダードタイヤ「フィネッサHB01」の性能がマジで凄い

この記事をまとめると
■ブリヂストンの新スタンダードタイヤ「FINESSA HB01」に試乗
■一般道ではロードノイズの変化と操縦性の向上を実感
■ウエット路面でも安心感ある走りを実現
ウエット性能はもちろんオンロードでも乗り味向上
2026年1月、BS(ブリヂストン)は「FINESSA(フィネッサ)HB01」の、自動車メディアに向けた試乗会を開催した。一般的なスタンダードタイヤとしては、ベーシックグレードの「NEWNO(ニューノ)」やその上の「ECOPIA(エコピア)NH200」が一般に広く愛用されている。
FINESSAは、さらにその上に位置するスタンダードタイヤとして誕生した新ブランドだ。その狙いは、ユーザーがタイヤに求める性能である、雨の日の走行でも「しっかり止まり、しっかり曲がる」こと。それも新品時から経年による摩耗時までも、性能を維持することが求められている。ユーザーは欲張りだが、それゆえにもっとも関心がある項目だ。

FINESSA初試乗は、神奈川県大磯周辺の国道1号線と西湘バイパスで行われた。西湘バイパスは路面の繋ぎ目がキツく、タイヤには厳しい条件となるが、果たしてどうか。ベーシックなNEWNOと比較した。
接地感や凹凸、突起を通過した際のステアリングに伝わる手応えや、身体に伝わる乗り心地、乗り味の点で、FINESSAは空気を多く注入した、つまり“空気圧が高い”ような、タイヤ単体の張りの強さとケース剛性の高さが感じられた。

一方のNEWNOは、その点ではゴムがソフトな印象がある。乗り心地ではそのソフトさがいい反面、ヌメッとして剛性感は弱い印象になる。FINESSAは操舵による応答や路面からの入力に対する衝撃の吸収や振動の減衰、ロードノイズにしても音の質が変わり、スッキリした印象になった。
「FINESSA が目指したウエット性能と摩耗による変化を知りたい」という要望が多かったため、BSはありとあらゆるテスト路面があるPG(プルービンググランド)で、4月に再び試乗会を開催した。両側にバンクをもつオーバルコースと、その内側に各種路面とハンドリングコースが点在するPGに来るのは何年振りだろうか。
ウエットハンドリング路は、小山を登って旋回しながら降りる滑りやすいコーナーが名物だった。が、それがすっかり削られてほぼフラットになったのは、見通しが利くという安全性の見地からか? 変化する路面がタイヤの変化としてわかりやすい部分だっただけに残念ではある。

タイヤは単体で試乗しても、性能は掴みにくい。Aのタイヤに対してBはどうか? という比較で確認することが望ましいことは、駆け出しレーシングドライバーのころからタイヤメーカーのレース用タイヤテストで鍛えられた筆者として納得の試乗方法だ。
最初の比較は自社のECOPIA NH200の新品と、FINESSA HB01の2万km走行の摩耗品との比較! 自社製品を一方は上げて、もう一方を落とすことにならないのか? と気になる。「それぞれの特徴を理解して頂けるし、他社と比較する訳にはいきませんから」とBS広報部談、なるほど。
新品の溝深さは7mm。2万km走行で2mm摩耗して溝深さ5mmで新品のエコピア(溝7mm)とウエット旋回路で比較する。
ウエット路面でも接地感を確保
旋回路のもっとも内側の円は「ベルジャンロード」と呼ばれるブロックを敷き詰めた石畳路で、これに散水してウエット路面にすると、ツルッと足もとをすくわれたようによく滑る。
聞けば、積雪路をスタッドレスタイヤで走行するレベルの摩擦係数だという。ただし、石畳なので隙間による角とひとつひとつの石の形状による凹凸変化で接地面は平らではない。つまり、接地変化があり、それも含めて滑り出しの限界は早く訪れる。

ECOPIAで円旋回を続けると、29km/hで円を維持しにくくなり、30km/hで外にはらむ。外にはらみ始めたときのアクセルを戻す操作で、場合によるとリヤが滑り出すこともある。つまり前後ともに滑るのである。
一方、FINESSAの2万km・2mm摩耗品は、限界を迎える速度自体は31km/hとほぼ同レベル。しかし、グリップを失って外にはらんだあとにグリップ回復の仕方と早さが違う。

FINESSAはハンドルの切り始めから接地感があり素直に曲がる。接地感に乏しいECOPIAとの最大の違いはこの感触と、グリップを失ったあとにアクセルを戻すとグリップが回復する懐の深さだ。操縦ミスに対して寛容に受け止めてくれる。新品と2万km摩耗品だと思うと基準の違いが明確だ。
ウエットハンドリング路は2台のシエンタに新品同士を装着しての比較。まずはトラコンをOFFにしてフル加速。ECOPIAがしばらく空転しながら加速するのに対して、FINESSAは一瞬の空転から即加速状態に移る。「60km/hくらいで確認してください」。ということだが、それでは違いが掴みにくいので滑る限界まで試すと、80km/hがわかりやすいと判明。

ECOPIAは確かに60km/hからグリップ限界を感じて、前輪が滑り出して実際アンダーステアになる。さらに速度を上げると、コーナーでは前後が滑るのだが、それは滑ることを承知の上でアクセルを踏み続けているから。一般公道でこの状況が起きたら即アクセルを戻すかブレーキを踏む。優れているのは、その滑り始めが穏やかで、ソコをドライバーにステアリングを通して伝えてくれる点だ。
FINESSAはステアリングを切ったと同時、応答に遅れがない。つまり、路面を掴んでいる手応えがあるので、速度は80km/hまで加速してコーナリングしてブレーキングしても操作に忠実に動く。この路面を捉えた安心感がウエットに強い所以である。

もちろんこれはテストコースだから敢えて限界を越えて試したが、ウエット路は確実にこの速度まで行けるという意味ではない。あくまでも現実の状況に応じた運転、操縦が必要で、グリップから滑り出す限界を、ドライバーはもちろん乗員にもわかりやすく伝えてくれることもタイヤとして大事な性能だと、いろいろな路面を体感すると改めてそう思う。

FINESSAは14インチから19インチまで、偏平率と幅も含めて全55サイズが用意されている。





