将棋界に新たな熱狂を呼ぶ『JEMTCスペシャルABEMA地域トーナメント2026』のドラフト会議が、いよいよ5月9日に放送される。この大舞台に、「北関東ブリッツァーズ」の監督として羽生善治九段(55)が臨む。

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 本大会は、『ABEMAトーナメント』と『地域対抗戦』の2つの遺伝子を引き継ぐ新たな棋戦。5人1組、地域を背負う8つのチームが日本一をかけ戦う。監督は4人の棋士を2段階のドラフトで指名し、第1段階の「地域ドラフト」では所属地域から2名、第2段階の「オープンドラフト」では残されたすべての棋士から2名を指名する。さらに、監督たちの協議によって合意された「監督協定」を採用。タイトルホルダーとA級棋士は地域ドラフトでは指名できず、オープンドラフトで指名権を争うことになり、全チームにトップ棋士を指名する権利が発生する波乱必至のシステムとなった。

 羽生九段は、この地域対抗という側面について「それぞれの地域やチームの特色を出して、地元の皆さんにも浸透していってほしい」と語る。「着実ではあると思うんですけれども、少しずつ広がっているのかな」と、自身が発案に携わった地域密着型の団体戦がもたらす熱気を感じ取っているようだ。

 今大会から導入された、地域枠とオープン枠が混在する新ルールについては好意的に受け止めている。「今までのルールだと、どうしても似たメンバーでチーム編成を組むというケースも多かった」と分析し、「そういう意味ではちょっと風通しをよくするというか、また違った方向でやるというのも非常にいいんじゃないかな」と語る。

 注目のドラフト戦略については「一巡目はもちろん誰を指名するかを決めてあるんですけど、それ以降はもう出たとこ勝負としか言いようがないです」と予測不能な展開を覚悟。特にオープン枠に回る藤井聡太竜王・名人(王位、棋聖、棋王、王将、23)の争奪戦には「集まりそうだからあえて違うところにいくという手もあるし、正面から杉本さん(中部監督・杉本昌隆八段)と勝負しにいくっていう手もあるし、考えどころですよね」と不敵な笑みを浮かべた。

 チーム名は「北関東ブリッツァーズ」に決定した。「チェス用語で、早指しのことをブリッツって言うんですね。“電撃戦”という意味なんですけど、この大会も非常に早指しなので、『早指しをする人たち』という意味の『ブリッツァーズ』ですね」と、チェス愛好家でもある羽生九段らしいネーミングの意図を明かした。

 「(関東は)一番出身者が多い場所でもありますし、2チーム(北関東と横浜)あるというところもありますし、そういう意味での注目度も高いと思う」と地域の熱量を代弁する羽生九段。「それに応えられるようなチーム編成をして、皆さんに楽しんでいただけたらなというふうに思っております」と語るレジェンドは、5月9日のドラフト会議で果たして誰を指名するのかーー。

◆JEMTCスペシャルABEMA地域トーナメント2026 超早指しの『ABEMAトーナメント』と『地域対抗戦』が融合した新シリーズ。全国を6つの地域ブロック(関東・関西は各2チーム)に分けた全8チームによって競う団体戦。各チームは8名の監督と、ドラフト会議で指名された棋士4名の計5名で構成され、総勢40名が地域の威信をかけて戦う。5月下旬から予選がスタートし、勝ち上がったチームによる準決勝および決勝戦は8月に生中継で実施される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)