「胆石症」の前兆は食後の胃もたれ? 見逃しやすい3つの初期症状【医師監修】

胆石症は、初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行しているケースが少なくありません。健康診断などで偶然発見されることも多いですが、結石が動き始めると身体にさまざまなサインが現れます。早期発見・早期対処のために、初期症状の特徴と見逃しやすいポイントについて解説します。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

胆石症の初期サインと見逃しやすい症状

胆石症は初期段階では症状が現れないことが多く、健康診断や他の病気の検査で偶然発見されるケースが少なくありません。しかし、結石が動いたり胆嚢の出口を塞いだりすると、さまざまなサインが身体に現れます。こうした初期症状を見逃さず、早めに対処することが重要です。

無症状の胆石と症状が出る胆石の違い

胆石を持っていても、一生症状が出ない方も多くいます。医学的には「無症候性胆石」と呼ばれ、結石が胆嚢内で静かに留まっている状態です。この場合、日常生活に支障はなく、定期的な経過観察で十分なこともあります。一方、結石が胆嚢の出口や胆管に移動すると、胆汁の流れが妨げられ、炎症や痛みが生じます。これを「症候性胆石」といいます。症状が一度でも現れた場合は、今後も繰り返すリスクが高まるため、医師との相談が必要です。症状の有無によって治療方針が大きく変わるため、自覚症状の把握が大切です。

食後に感じる違和感や不快感

胆石症の初期症状として、食後に胃もたれや膨満感、吐き気といった消化器系の不調を感じることがあります。特に脂肪分の多い食事を摂った後に症状が強くなる傾向があります。胆汁は脂肪の消化を助ける働きがあり、食事によって胆嚢が収縮して胆汁を分泌しますが、結石があると胆汁の流れが悪くなり、消化不良のような症状が出るのです。こうした不調は胃の病気と勘違いされやすく、胃薬を飲んでも改善しないことが特徴です。症状が繰り返される場合は、胆石症を疑って消化器内科や外科を受診することをおすすめします。

まとめ

胆石症は、無症状のうちに進行することもあれば、突然の激痛で発覚することもある病気です。右脇腹の痛みや食後の不快感、吐き気といったサインを見逃さず、早めに受診することで、重症化を防ぎ、生活の質を保つことができます。治療法は手術が中心ですが、腹腔鏡手術の進歩により、身体への負担は大きく軽減されています。日々の食生活や体重管理、適度な運動を心がけることで、胆石症のリスクを減らすことも可能です。気になる症状がある方は、消化器内科や外科を受診し、専門医の診察を受けることをおすすめします。

参考文献

日本消化器病学会「胆石症診療ガイドライン2021(改定第3版)」

日本消化器病学会「胆石症ガイド2023」

国立がん研究センター がん情報サービス「胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)」