【判決】「やめたくてもやめられない」…無軌道に小中学生にわいせつ行為を繰り返した男が下された裁き
言い渡された判決
「何度も、『もうやめなきゃ』って思ったのですが、時間が経つとまたやってしまう。その繰り返しでした」
路上で女児にわいせつな行為やパパ活の勧誘を繰り返した31歳の男は、結局、逮捕されるまで犯行を止めることができなかった。
4月17日、5人の女児に対する不同意わいせつや不同意性交等の罪に問われていた、森山颯(はやて)被告(31)の判決公判が千葉地裁で開かれた。
森山被告は、上下黒のスウェット、肩付近まであった髪を短く切って出廷。池田知史裁判長は、「日常生活を送るなかで、突然被害に遭った年少の被害者らが受けた恐怖や不安は大きい」などとして、「拘禁刑5年6ヵ月(求刑7年)」を言い渡したのだった。
これまでの公判で明らかになったのは、たとえ仕事中であっても、女児を見かけると車を止めて後を追うという、あまりに無軌道な犯行の数々だった。
’25年9月初旬、当時勤務していた会社から貸与されていた車を運転中だった森山被告。Aさん(当時12歳)を見かけると歩道に車を止め、同時にAさんの後を追った。追い抜いた後に振り返ると、すれ違いざまにAさんの胸を数回触った。
また’25年8月下旬には、体調を崩して電柱にもたれていたBさん(当時13歳)を見つけると「大丈夫ですか?」と声をかけた。Bさんが「大丈夫です」と答えると胸を触って、その場を離れている。
さらに’25年7月中旬、営業先を訪問するべくコインパーキングに車を駐車したところで集団で下校中の小学生に出くわした森山被告は、「女の子の体を触りたい」と考えたという。そして集団からひとり離れて歩いていたEさん(当時10歳)を見つけると近づき、すれ違いざまに胸を触っている。
これらの犯行によって森山被告は女児3人に対する不同意わいせつの罪に問われることとなった。
路上で「パパ活」の勧誘も
さらに森山被告は路上で、金銭などを渡して年少者と性行為をするいわゆる「パパ活」の勧誘もしていた。
’25年8月下旬、千葉県内の駅前でパパ活の相手を物色していた森山被告は、Cさん(当時13歳)を見つけ、〈パパ活しませんか〉などと表示されたスマホを見せたが断られてしまう。その後、再びCさんを見つけ、「さっきはごめんね、4万円あげるから」とパパ活に誘うと、Cさんが応じたことから、ホテルでCさんと性交に及んだ。さらにその行為やCさんの生徒手帳などを撮影・保存していた。
そして’25年4月初旬、千葉県内の店舗でパパ活の相手を物色していた森山被告はDさん(当時12歳)の背後を通り過ぎる際にお尻を触り、驚いて振り向いたDさんに〈パパ活お願いできないかな〉と表示させたスマホを見せ、さらに「付いてきて。こっち来て」と声をかけている。そして怖くなったDさんが首を横に振ると、そのままどこかへ去ったのだという。
これらの犯行から、Dさんに対する千葉県迷惑防止条例違反、そしてCさんに対する不同意性交等や性的姿態等撮影、児童ポルノ禁止法違反と、合わせて5つの罪に問われることとなった。
路上で直接「パパ活」の勧誘をするのは、「路上だと、対面の状態で相手を見て選べる」からだと説明していた森山被告。しかし、実際は選ぶどころか片っ端から声をかけていた森山被告に、弁護士は次のような質問をしている。
「コンビニで買い物をしている人とかにも声をかけていますよね。完全に不審者ですよ。このままだと警察に捕まるんじゃないかと、そんな心配はしなかったんですか」
すると森山被告は冒頭のように述べ、「警察に捕まるんじゃないかという心配はあったが、やめられなかった」と答えたのだった。
被告が振り返った「当時の心境」
犯行を繰り返した背景には、「採用された仕事内容とは違う仕事をさせられるなど、職場で大きなストレスを抱えていて、自制がきかなくなってしまった」と主張していた。
しかし、なぜストレス対処法として女児への性加害という行動に出たのか。森山被告はこのように当時の心境を振り返っていた。
「私は未成年の女の子に性的興奮を覚えるような傾向があったのと、あまり騒がれないだろうという気持ちもあって女児を狙ってしまいました。そして大きなストレスから自制がきかなくなったときに、性加害に向かってしまったのかなと思います」
そして「もう自分で自分を制御できないので、専門のクリニックを受診することを考えています」と述べたのだった。
判決を言い渡した後、池田裁判長は「被害者の精神的苦痛は相当に大きく、健全な育成への悪影響も危惧される。被害者やその家族が厳罰を求めることも当然である」などと、量刑の理由を述べた。その間、身じろぎもせず証言台に立っていた森山被告。そして「これで判決の宣告を終わります」と告げると、深く頭を下げたのだった。
森山被告は今回の逮捕以前にもやはり10歳前後の女児への強制わいせつの容疑で逮捕・勾留されたことがあるという。そのときは被害者側が示談に応じたために起訴されることはなかった。しかし、今回の各被害者は「絶対に許す気はない」と誰も示談に応じなかったため、起訴され実刑判決を受けることとなった。
このまま控訴しなければ、刑に服することになる。
今度こそ、「やめようと思ってもやめられなかった」女児への性加害をやめることができるだろうか。
取材・文:中平良
