イーロン・マスクが仕掛ける「歴史的IPO」は前代未聞…! 全人類を支配する「マスク帝国」のヤバすぎる全貌

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「スターリンク」は超高収益

イーロン・マスクの宇宙開発企業「スペースX社」の上場が迫っています。早ければ今年の6月にも行われる見込みです。

前編『トヨタの5倍って、そんなのあり…!? イーロン・マスクが仕掛ける超ビッグIPO「時価総額320兆円」の驚愕のカラクリ』でお伝えしてきたように、上場時の時価総額が最大で2兆ドル(約320兆円)という過去に類を見ない金額となると目されています。

では、スペースXの上場時の評価はイーロン・マスクという稀代のカリスマ起業家に熱狂したバブルによるものなのでしょうか。

実は、そうともと言い切れない理由があります。スペースXの宇宙通信事業は超高収益だからです。

前述したスペースX社の売り上げの約3分の2は、スターリンクと呼ばれる衛星通信事業から来ています。そして、この事業の売り上げは約123億ドル(約2兆円)に対して、営業利益は約80億ドル(約1.3兆円)と営業利益率が60%をこえる超高収益です。

スペースXは、圧倒的なロケットの発射能力を誇っており、米国や中国など大国の政府機関を含めても25年においてロケットの発射数で見て50%以上、衛星軌道上への投入質量で見ると80%以上と宇宙開発において地球上で並ぶもののない存在となっています。

この優位を生かして、すでに1万機以上の衛星通信を軌道に乗せており、現状グローバルの衛星通信マーケットをほぼ独占しています。

利用者は今年2月に1,000万人を超えてきています。

この秋に発表されるiPhone18には、このスターリンクによる衛星通信サービスがスマホだけで利用できるいわゆる「Direct to Cell」機能が搭載されるという見方が広がっています。空が見えればどんな僻地であっても5Gが利用できるサービスが開始されるという期待が高まっています。

これが実現されれば利用者は飛躍的に増えることになるでしょう。

また、航空機や船舶におけるスターリンクの利用も着実に広がっており、先日私もJALのLCCであるZIPAIRでシンガポールから東京に移動した際に、このスターリンクによって無料で早いWi-Fiが機内で利用でき、とても快適でした。

戦争の形を変えたスターリンクの力

ただ、この衛星通信事業の真のポテンシャルは利用人数ではわかりません。

米国政府は直近の軍事作戦において、ベネズエラにおいてもイランにおいても作戦開始初日に最高指導者を拘束・排除することに成功しましたが、この背景には衛星通信を用いた高度な情報収集能力と最新AIによる緻密な作戦の立案があります。

そして、これを支えているのがこのスターリンク事業です。

イラン側も自国の治安維持の目的もあり、スターリンクに対する妨害を行ったと言われていますが、イーロン・マスクは一般消費者向けとは別により高出力で妨害が難しいサービスを米国政府には提供していると明言しています。

また、ロシアとウクライナの紛争においてもこのスターリンクは活躍しており、高度かつ大規模なドローンによる作戦を実現することで、開戦以前には短期間でロシアが勝つという見方も多かった紛争が4年にわたって継続して、足元では逆にウクライナ側が一部で戦線を押し戻す原動力になっています。

このようにスペースX社のスターリンク事業はビジネスという枠を超えて、世界情勢の趨勢にもかかわる巨大なパワーリソースとなってきています。そして、この力をさらに高めると見られているのが宇宙データセンター事業です。

「マスク帝国」の最終形が見えてきた

現在、生成AIサービスで先行する、OpenAIやアンソロピックにGoogleといった米国のメガテック企業はハイパースケーラーと呼ばれる一ヵ所で数兆円〜数十兆円に投資額が上る、きわめて大規模なデータセンターの建設を行っています。ただ、このハイパースケーラー建設において、電力と冷却用の水の確保という2つが大きなボトルネックとなっています。

そこで、イーロン・マスクは衛星軌道上に多数のデータセンター衛星を展開することで、24時間常に太陽光により発電が可能となり、さらにラジエーターを通じて冷媒となる液体なしに宇宙空間に無限に熱を放射により捨てられるという利点があることから、宇宙データセンター事業に本格的に乗り出すことも打ち出しました。

当然ながら、地上においてハイパースケーラーを建設する際に必要となる用地確保や近隣の自治体や土地保有者との調整も必要ありません。

すでに、イーロン・マスクは従来の衛星通信用とは比較にならないほど大きい、片翼の長さが30mで幅7〜8mの巨大なソーラーパネルを展開できる衛星を100万基も展開する宇宙データセンター計画を打ち出しています。

もちろん、スペースX社のロケット発射能力をもってしても、100万基の大型衛星の軌道上への投入には困難を極めますし、電力が豊富に手に入る代わりに、放射線が強いなど宇宙空間ならではの障害もいろいろと待ち受けています。

しかし、すでにエヌビディア社とGPUの放射線対策について協議を始めるなど、イーロン・マスクはこのデータセンター事業について本気であることは間違いありません。

もともと、マスクは火星への定期便就航にめどが立つまではスペースX社を上場させないと話していましたが、このデータセンター事業に本腰を入れるために上場を決意したといわれています。

イーロン・マスクはこのスペースX社の40%以上の株式を保有しており、今回のスペースX社の上場が計画通りにいった場合に、人類初のトリリオネア(1兆ドル=約160兆円長者)になることは確実です。

ただ、彼にとってはそんなことはどうでもよく、自分のビジョン実現にしか興味がないのかもしれないと思わせる、フルスロットルでの展開です。

宇宙・AI・EVを束ねる究極の1社へ

最終的には、ロボタクシーの展開でGoogleが手掛けるWaymo社との競争が激化しているテスラが必要とする膨大なAI処理能力についてもこのスペースX社が担うことも視野にいれているのでしょう。

その実現にめどが立てば、いよいよスペースX社とテスラも統合させて、イーロン・マスクが関心を持つビジョンの実現を1社ですべてカバーする、株式会社イーロン・マスクが誕生して、その評価額は世界最大となることも十分にあり得そうです。

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