現役引退発表のりくりゅう、“第2の人生のお手本”となる浅田真央 「アイスショーやタレントは副業、メインは指導者」第2のキャリアを見定める才覚
ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケートペアで日本勢初の金メダルを獲得した「りくりゅう」こと三浦璃来、木原龍一ペア。4月17日にそれぞれのインスタグラムを通じて連名で今シーズン限りでの引退を発表した。スポーツ紙デスクが言う。
【写真】キャリーケースにはポケモンのシールを貼っている“りくりゅう”、レストランや空港でのリラックス2ショット
「フランス・アルプス五輪が4年後ということも考え、9歳年上で33歳の木原が引退を決めたことに伴い、違う男性とペアを組むことを考えていなかった三浦も引退を決意したかたち。3月の世界選手権の出場辞退の段階では引退を決めていたとみられます」
五輪後もアイスショーやバラエティ番組、企業イベントに出演し、所属先・木下グループのアイスリンクでの入社式ではサプライズ演技を見せた2人。天皇・皇后両陛下主催の春の園遊会にも出席するなど多忙な日々を送ってきたが、今後の活動も注目される。
4月17日から放映が始まった「Google Chrome」の新CMに出演している2人は、引退後もペアを解消しないという。4月には東京・大阪でのアイスショーに出演して喝采を浴び、5月も兵庫でのアイスショーに出演予定だ。大手広告代理店関係者が語る。
「もちろん金メダリストは客が呼べる看板選手として扱われ、報酬の上積みは凄い。通常は1公演で1人20万円程度とされるが、メダルを獲ればケタが変る。金メダルになればメインスケーターとして10倍に跳ね上がって1公演1人200万円が相場といわれています。
ただ、アイスショーなどで看板として生き残れるのはソチと平昌五輪で2大会連続金メダルの羽生結弦、トリノ五輪の金メダルの荒川静香といったごく一部という現実もあります」(代理店関係者)
「アスリート社員」としての先行モデル
そうしたなか、2人の引退後の"お手本"になると見られるのが、バンクーバー五輪の銀メダリストの浅田真央だという。
「浅田は昨年8月に木下グループと共同で『木下MAOアカデミー』を設立して開校。全国から選考した小学校低学年までの10人前後を対象にして世界で活躍できるスケーターの育成を始めた。今年4月から同社のアスリート社員(秘書室プロモーション担当)としてアイスショーにも出演する。彼女が"りくりゅう"にとって先行モデルになるのではないか」
浅田も26歳で引退後、CMタレントとして活躍する傍ら、プロスケーターとしてアイスショーに出演してきた。しかし、元スポーツ選手のタレント転向はライバルが多く、夏と冬の五輪が終わるたびに2年に一度、大量に出現する構造がある。「必然的に飽きられるのも早い。タレントがメインなら安藤美姫や村上佳菜子のように個性的なキャラで生き残るしかない。浅田も試行錯誤の末、指導者として再出発することになったようだ」(前出・代理店関係者)とされる。
「りくりゅうの2人は、日本ではほとんどいないペアの指導者、しかも金メダリストの実績がある指導者として再出発するのではないか。五輪後の日本記者クラブでの会見でも"日本でのペアの指導者"が最終目標と話していた。
金メダリストでありながらアイスショーやCMタレントはあくまでも副業でメインは指導者のつもりなら、第2のキャリアを見定める才覚がある。浅田は木下グループの支援で教え子とアイスショーに出演するなど成功を収めている。いい先行モデルになるのではないか」(前出・代理店関係者)
問題は日本でのペア選手の育成はハードルが高いというところだろう。前出・スポーツ紙デスクが言う。
「男子にパワーと長身が求められることで、ペアに向いている男子選手の演技希望者が圧倒的に少ない。りくりゅうもカナダを練習拠点にしていたが、シングルと違って国内にペア競技者の練習環境が整っているとは言い難い。留学費用も相当にかかります。
しかも実績がある指導者もいなかった。ペアにはリフトなどアクロバティックな技を練習するため、シングルの選手を兼ねるのは難しい。競技者が少ないペアでリンクを貸し切りにするにしても使用料が莫大となる。
2人の金メダルによって日本でのペア競技への評価が変わり、練習環境が大きく変わるかどうかが注目です。木下グループの全面協力のもと第二の『木下MAOアカデミー』のようなかたちが現実になることが期待されています」
※週刊ポスト2026年5月8・15日号
