亡くなった安達結希くんと捜査を進める南丹署

写真拡大

 京都府南丹市で行方不明になっていた市立園部小の安達結希(ゆき)くん(11)が遺体で見つかった事件で、京都府警は16日、義父の安達優季(ゆうき)容疑者(37)を死体遺棄容疑で逮捕した。逮捕前の任意聴取では「首を絞めて殺した」という趣旨の供述もしているという。

 ***

【実際の写真】“取材禁止”の張り紙が! 「結希くんの義父」が住む「立派すぎる日本家屋」

 血の繋がりのない義理の関係とはいえ、父親が事件に関わっていたという最悪の結末を迎えてしまった。

 結希くんが行方不明となったのは3月23日。その日は小学校の卒業式で、当時5年生の結希くんは在校生として登校したはずだった。だが、安達容疑者の運転する車で小学校に送られた際、誰ひとりとして結希くんの姿を見てはいない。現地で取材をした神奈川県警元刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は言う。

亡くなった安達結希くんと捜査を進める南丹署

「卒業式なら卒業生はもちろん保護者もいるはずですが、誰も結希くんを見ていないし、防犯カメラには容疑者の車は映っていても結希くんの姿はなかった。いかにも不自然ですから、警察も結希くんを捜索しつつ、事件としての捜査も進めていたと思います。安達容疑者の説明に虚偽があるとするならば、すべての辻褄が合うのですから」

 だが、この時点で、歯車にわずかな狂いが生じた。

「23日の朝8時頃に小学校に送り届けたと供述していましたが、結希くんが学校に来ていないことが判明したのは11時45分頃でした。本来であれば9時頃に登校していないことが保護者に連絡されたはずで、容疑者もそれを覚悟していたと思います。ところが、学校側に不手際があって連絡が3時間近く遅れてしまいました。もちろん、連絡が遅れていなかったとしても事件に変わりはありません。ただし、このことが安達容疑者のその後の行動に影響した可能性があります」(小川氏)

 どういうことだろうか。

場当たり的な行動

「6日後の29日には、小学校から西に約3キロの峠道で結希くんのランリュックが見つかりました。地元の方が言うには“小学生が行く場所ではない”とのことでしたが、少なくとも2時間あれば、子どもでもある程度は歩けるという考えが安達容疑者に浮かんだ可能性もあるわけです」(小川氏)

 捜査・捜索の撹乱を狙ったのだろうか。だが、ここから場当たり的な行動に繋がっていくという。

「4月12日には小学校から南西に約9キロの地点で靴が見つかり、翌13日には小学校から南に約2キロの地点で結希くんの遺体が発見されました。いずれも離れた場所でバラバラのようにも思えますが、南丹市の園部町からは出ていませんし、小学校と自宅の間と言っていい地域になります。容疑者は警察や消防団の捜索・捜査状況などに応じて、結希くんの所持品や遺体の遺棄場所を変えていたのでしょう」(小川氏)

 警察発表では、安達容疑者は3月23日朝から4月13日夕までの間、市内の山林など数カ所に結希君の遺体を運び、遺棄した疑いがあるという。もっと遠くに運ぶこともできたはずだが……。

10時間もの取り調べ

「動くに動けなかったのだと思います。当局もマスコミも注視する中、長時間、自宅から離れるわけにはいかなかったはずです。警察だって遠くに行くことがあればNシステムなどで動きを確認することだってできるわけですから」(小川氏)

 結希くんの遺体は小学校から約2キロの山林で発見された。

「遺体は埋められていたわけではありませんでした。もしかすると安達容疑者は、そこからさらに移動するつもりだったのかもしれません。本人としては計画的なつもりだったかもしれませんが、行き当たりばったりで杜撰としか言いようがありません」(小川氏)

 14日に遺体が結希くんのものと確認されると、15日には府警が安達家を捜索し、容疑者を任意同行した。

「朝7時に任意同行し、“遺棄をほのめかす”と速報されたのが夜7時頃でした。取り調べは“府警のエース”と呼ばれるような人が当たったのだと思います。昼食や休憩の時間を除いておよそ10時間、しぶとかったですね。遺棄を認めたら殺人も追及されるわけです。もし殺害していたとなれば、無期懲役を含む厳しい判決が予想されます。37歳の容疑者からすると一生出てこられない可能性もあるわけですから、それだけは避けたいという気持ちが働いたかもしれません」(小川氏)

 往生際が悪いとも言える。なぜ結希くんは殺されねばならなかったのか、結希くんの家族はどのような思いで容疑者と共に生活していたのか……。

 関連記事【結希くんは「変なおっさんが家に来てケンカばっかり」と漏らし…【京都小6】逮捕された「義父」の評判 「頭が良くて、温厚、仕事も優秀だが、最近、様子が…」】では、結希くんと安達容疑者との知られざる関係を詳述している。

デイリー新潮編集部