その存在は、昨年12月に財務省が初めて明らかにし、3月にも開示に向けた準備をしていると説明を受けていたのに…(提供)筆者

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【森友遺族・夫の死を巡る闘争記】

「森友文書」6回目開示 今回も佐川理財局長のメールはなかった

「こちらはちょっと不開示とさせていただきます」

 財務省の担当者の言葉を聞いて、赤木雅子さんは呆然とした。

「えっと、待って。池田さんのノートは不開示ってこと?」

 森友学園への国有地巨額値引きと公文書改ざんを巡る森友事件では、近畿財務局で改ざんに関与させられた赤木俊夫さんが命を絶った。妻の赤木雅子さんの請求に基づき昨年4月から関連文書の開示が行われている。7回目となる14日の開示で最も注目されたのが、近畿財務局職員の手書きのノートだった。

 その存在は昨年12月に財務省が初めて明らかにし、今年3月にも開示に向けた準備を進めていると説明を受けていた。ノートが誰のものかは明らかにされていないが、役職名などから赤木俊夫さんの直属の上司だった池田靖氏のものと推測された。池田氏は森友学園への国有地値引きの責任者であり、俊夫さんに公文書改ざんを命じた当事者でもある。ノートには事件の核心について何か記されているのではないか? 雅子さんは開示を心待ちにしていた。そこにいきなりの“不開示決定”。理由を財務省はこう説明した。

「職員個人の私用のノートで、総体としてプライバシーに関わる情報だ」

 だがそれは初めからわかっていることだ。なぜ急に不開示という判断になったのか? そこを尋ねても担当者は「財務大臣が決定を出した」と言うだけだ。

誰のどういう判断だったのかは明らかにせず

 ところが開示後の会見で片山さつき財務大臣は、不開示の判断について「開示する方針だったものを大臣が変えたのではありません」と発言。それ以上の説明を避けたまま会見を打ち切った。その後の事務方の説明では、不開示決定について「財務省として判断した」というだけで、誰のどういう判断だったのかは明らかにしなかった。赤木雅子さんは開示後に報道各社の取材に応じた。

「今夜は池田さんのノートをじっくり読ませてもらおうと期待していたんですけど、それがないって聞いた途端、動悸が激しくなりました。石破さん(前首相)の下で開示が始まった時と様子が変わりました。高市さんが総理大臣の間はノートは出ないんだと感じて、すごく残念です」

 一連の情報開示でこの1年間に15万枚近い文書が開示されたが、全面不開示の決定はこれが初めてだ。赤木さんと弁護団は今後、不開示に対する不服審査請求を検討することにしている。(随時掲載)

(相澤冬樹/ジャーナリスト・元NHK記者)