(※写真はイメージです/PIXTA)

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投資資金が限られている局面で重視すべきは、価格の上昇率ではなく、いつでも現金化できる「流動性」です。時価総額の小さい銘柄は、一時の注目で急騰しても、需給が薄いために売却のタイミングを失うリスクを孕んでいます。対して、日経平均に採用されている225銘柄は、海外機関投資家が常時売買を行っており、板が厚く、迅速な資金回収が可能です。本記事では、中野稔彦氏の著書『株をやるなら逆指値』(フォレスト出版)より、同氏が推奨する、個人投資家が優先すべき銘柄選定の条件と、効率的な運用ポートフォリオの構築法を解説します。

〈登場人物紹介〉

【教わる人】藤 進太郎(とう・しんたろう)

会社員(28歳)。NISAは2年前に始めたけれど、日本株投資にもチャレンジしてみたいと思っている。ただし、資金がないので、30万円でスタート。失敗したくないと、中野株式スクールの門をたたいた。

【教える人】ナカノ先生

中野 稔彦(なかの・としひこ)先生。大和証券で資金運用、資金調達、子会社上場、M&Aなどあらゆる株式業務を担当。退職後は、個人投資家の育成に努めており、「株式投資は資金回収こそがミッション」をモットーに日々、生徒指導にあたっている。

推し銘柄は「日経225」の中から選ぶ

進太郎:いいなと思う銘柄があったら、とりあえず売買代金・時価総額・発行済株式数をチェックすればいいんですね?

中野氏:その方法でもいいけど、いちいちチェックしていたら時間がかかるでしょう? 日経平均株価に採用されている225銘柄だと、だいたい推し銘柄の条件を満たしているから候補を絞りやすいよ。

推し銘柄とはすなわち、プライム市場にある規模感の銘柄で、海外投資家の投資対象になりやすいものを指します。しかし、プライム銘柄は2025年11月時点でおよそ1700もあり、候補が多すぎる。

そこで、プライム市場の中から選び抜かれた225銘柄で構成され、かつ、世界の投資家から注目される指数である「日経平均株価」の出番です。中野式では、日経平均銘柄の中から投資候補を選ぶことを推奨しています。

そもそも「日経平均株価」とは?

日本経済新聞社が算出・公表している株価指標で、東京証券取引所のプライム市場に上場している企業の中から選ばれた225社の株価を平均したもの。「日経225」「日経平均」とも呼ばれる。

〈日経平均株価採用銘柄の特徴〉

◎海外投資家の投資対象になりうる

◎ETFや先物・オプション取引の対象指数で、資金が集まりやすい

◎勝てる銘柄の条件(売買代金・時価総額・発行済株式数)を満たすものが多い

たとえば、電子機器メーカー、フジクラ(5803)の売買代金・時価総額・発行済株式数を見てみましょう。

・フジクラ(5803)※2025年11月21日時点の情報

売買代金:2393.15億円

時価総額:5.13兆円

発行株式数:2.96億株

日経平均採用銘柄というだけで、すでに推し銘柄の条件を満たしていることがわかります。保有株主を見ても上位はほとんどが機関投資家で、海外のファンドや米国の年金基金など、そうそうたる面子が並びます。候補銘柄の規模感としては申し分ないでしょう。

日頃の売買は「定番商品枠」で、小さく細かく収益を出す

銘柄リストに載せて日々売買する「推し銘柄」と別に「夢と希望枠」銘柄を持つのも、零細投資家ならではの楽しみ方です。これは、株式投資で大きくキャピタルゲインを稼ぐ方法として、知名度が低いが将来有望なグロース銘柄を探しだし、「期待銘柄」として成長を期待する手法です。

しかし、まず伝えたいのは、零細投資家が短期で確実に利益を出せるシンプルな投資手法。商売でも、確実に儲けを出そうと思ったら、多数の顧客に売れる定番商品を真っ先に用意して店頭に並べるはずです。マニア受けする商品を並べて、高値で買ってくれる顧客が来店するのをひたすら待つ方法では、時間がかかりすぎてしまうと思いませんか?

長く持つ期待銘柄は、いつか大きくなればいいと願う「夢と希望枠」。短期で利益を獲得したいのであれば、確実に稼げる「定番商品枠」の2つに分け、あくまで「定番商品枠」メインで売買するのが基本です。

日頃の売買は「定番商品枠」で小さく細かく収益を出していくのです。とにかく、われわれは零細投資家です。日頃の売買はメイン市場のでっかい銘柄を取引相手としてください。

商売の基本は、売れるものを安く仕入れて利益を出すこと。「夢と希望枠」を持つ前に、まずは売れ筋の定番商品として日経平均採用銘柄を候補に入れましょう。

・定番商品枠=回転売買で確実に利益を得るための銘柄群。日経平均採用銘柄から30の候補を選んで「推し銘柄」とすることを推奨

・夢と希望枠=長期保有し成長を期待する個人的な「期待銘柄」枠

中野 稔彦

橋本-investment

代表取締役

※本記事は特定の銘柄の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。掲載された情報は執筆時点のものであり、将来の利益を保証するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任において行ってください。本記事によるいかなる損害も、一切の責任を負いかねます。