「Snow Man」「timelesz」の強力タッグさえ寄せ付けない強さ…なぜ『芸能人格付けチェック』は圧倒的支持を集めるのか

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「春の定番にSTARTOで挑む」構図

28日夜、『芸能界格付けチェックBASIC 春の3時間半スペシャル』(ABC制作・テレビ朝日系、18時30分〜22時)が放送される。テレビ朝日系にとっては春の改編期における目玉特番であり、司会の浜田雅功に加えて唐沢寿明、高橋一生、志田未来、畑芽育、乃木坂46らをキャスティング。今春も視聴率と配信再生の獲得、SNSの反響が期待されている。

3月改編期の『格付けチェックBASIC』は2018年から8年連続で放送されている春の定番であり、特に目新しさはない。しかし、今春はある理由から例年以上の注目を集めている。

注目されている理由は、裏番組の『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ系、19時〜21時)にSnow Manとtimeleszがそろって出演するから。

「春の秒でドッキリ祭り」と題して菊池風磨プロデュースでtimeleszのメンバー1人1人にドッキリが仕掛けられるほか、Snow Manの向井康二がふんする「記憶忍者隊 マッサマン」にラウールと宮舘涼太が出演する。

前者はtimeleszが仕掛け人とターゲットに分かれて、後者はSnow Man同士がガチンコ対決という両グループを前面に押し出した構成・演出であることがわかるだろう。スポンサー受けのいい10〜40代の個人視聴率を獲得する上でSnow Manはいま最も求められるアイドルであり、timeleszは最も勢いのあるアイドル。Travis Japanの松田元太が出演することも含め、フジテレビはSTARTO勢で勝負に挑んでいるのは間違いない。

実際、ネット上には放送前から多くのコメントが書き込まれているが、『芸能人格付けチェックBASIC』と数字や反響でどちらが優位に立ちそうなのか。これまで各局の制作現場で聞いてきた業界内の声を交えて掘り下げていく。

ジャニーズ時代より依存度を高めるテレビ業界

まず、業界内におけるSnow Manの評価は限りなく高い。誤解を恐れずに言えば、すでにその期待感は先輩グループのSMAPや嵐の全盛期と同等、あるいは現在の状況を踏まえるとそれ以上かもしれない。

SNSの利用者が増え、動画配信サービスが普及し、テレビ番組もTVerなどでの視聴が浸透したいま、「リアルタイムで見てもらい視聴率を獲得することのハードルは限界まで上がっている」と言っていいだろう。

その点リアルタイムで最も視聴してくれるのは、推し活に熱心なファンを持つ芸能人であり、その最高峰がSnow Manであることを否定できるテレビマンはいないはずだ。それくらい彼らは熱く献身的な多くのファンを持っている。

知名度やヒット曲などの数はまだSMAPや嵐に遠く及ばないものの、テレビの視聴率が下がり、視聴者を引きつける大物芸能人が減ったいま、Snow Manへの期待値は跳ね上がった。

一方、timeleszはSnow Manほどではないが、オーディション企画「timelesz project」で一般層を含む若年層を開拓。新メンバーのフレッシュさもあって、テレビにその若年層を連れてきてくれる新星として「先行投資も含めて彼らをキャスティングせよ」が民放各局のミッションとなっている。

熱心に推し活されている男性アイドルやボーイズグループはSTARTO勢だけでなく、BE:FIRST、JO1、INI、&TEAM、超特急、FANTASTICS、さらにK-POP勢もいるが、その視線はグローバルに向いており、自らネット発信することを重視。テレビへの出演はほぼ音楽番組に絞られ、バラエティに積極的なグループは少ない。

唯一、昨年『イイじゃん』でブレイクしたM!LKはバラエティに熱心なグループだが、まだ知名度を上げる顔見せという段階に留まっている。

バラエティにも熱心なSTARTO勢へのテレビ業界の依存度は高く、ジャニーズ時代と同等以上と言っていいかもしれない。しかし、それでも「『芸能人格付けチェック』には遠く及ばない」と言われてしまう現実がある。

では『芸能人格付けチェック』は、依存度が高まっているSTARTO勢を寄せ付けないほど、何が凄いのか。

「外したら恥ずかしい」BASICの面白さ

まず番組そのものを解説すると、『芸能人格付けチェック』は1997年から2001年まで放送された『人気者でいこう!』のコーナーから独立した特番だ。番組終了後、2005年に正月特番として復活し、2008年以降は元日のゴールデンタイム特番として放送され続けている。

特に2010年代後半からはGACKTの連勝記録が注目されるなどして視聴率がジワジワと上がり、2020年代に入ると世帯視聴率20%を超え、正月番組の絶対王者として君臨。そんな好結果を受けて元日だけでなく、2018年から春の改編期にも『BASIC』が放送されてきた。

元日の『芸能人格付けチェック』は高価な一流品を見極める一方、『BASIC』は「正解できて当たり前」を問う問題が中心だ。元日のような華やかさこそないが、番組の基本構造は同じで同様の盛り上がりを楽しめるうえ、より気楽に見られるという良さがある。

ポイントは老若男女誰もが平等に楽しめるクイズがそろい、しかも2択だから正解率は高く、視聴者も一喜一憂できる瞬間が多いこと。さらに「子どもが親に勝つ」「兄と姉が弟や妹に負ける」「インテリ系がガテン系に負ける」などの下剋上も起きやすいことも人気の理由だろう。

それは出演する芸能人たちも同様であり、芸歴や学歴、売上や人気、キャラクターやポジションなどにとらわれないフェアな勝負となるため、全員に勝つチャンスがある。

たとえば大御所タレントが不正解でプライドを傷つけられたり、食通が飲食問題で間違えたり、アーティストが音楽問題で失敗したりと思わぬ番狂わせが続出する。最後には「『映す価値なし』として画面から消される」というスリリングさも魅力の1つだ。もちろんGACKTのような「全問正解できるか」も醍醐味となる。

また、「当てて当然」「外したら恥ずかしい」BASICには、よりプライドや名誉をくすぐられるような面白さがある。

STARTO人気でも太刀打ちできない?

今回の放送でも、「赤ワインと白ワインを飲んで赤ワインを当てる」「伝説のロックバンドと小学生ガールズバンドの演奏を聴き分ける」「ヘアメイクのトップ、職歴1年のアシスタント、美容好き芸人のブライダル・ヘアメイクを見極める」「弦楽八重奏の世界的プロと小中学生(しかも弦が1本抜かれている)を聴き分ける」「一流映画監督と芸人の映像作品を見極める」「ミシュランガイド掲載店の天然本マグロ、くら寿司の養殖本マグロ、ツナ缶にも使われるビンチョウマグロを見極める」という6つのチェックを用意。

正解者と不正解者のギャップはむしろBASICのほうが大きく、人気タレントたちが不正解に呆然とし、司会の浜田が大喜びするなどの悲喜こもごもが見られることは間違いない。そんな悲喜こもごもが、各家庭でも同時発生することが強さのポイントだろう。

これらの理由から「この番組だけは家族そろって見る」「友人と勝負することにしている」などのグループ視聴が多い。すると必然的にあまりテレビを見ない層へのアプローチが可能になり、視聴者層の幅も広がっていく。

この点がタレントの人気をベースにした番組では太刀打ちできない最大の理由だろう。今回で言えばSnow Manやtimeleszがどんなに人気でも、「ファンを集める」という構図の番組では視聴者層の幅は限定されてしまう。

また、ドッキリは「どんな仕掛けなのか」以上に「誰をハメるか」が視聴を左右する番組ジャンルだけに、個人の好き嫌いで判断されやすい難しさがある。

加えて『芸能人格付けチェック』には「季節の風物詩」という強みもある。元日夜の定番であることは疑いようのない事実だが、8年連続で放送されてきた春のBASICもすでに定着したと言っていいのではないか。

この点もSTARTO勢を中心にレギュラー放送されている『ドッキリGP』にはないところであり、よほどのファンでない限り『芸能人格付けチェック』が優先視聴されやすい理由となるだろう。

恥をかいても「出たい番組」の最高峰

どの業界関係者に聞いても『芸能人格付けチェック』は「別格」「次元が違う」などの言葉が返ってくるとともに、タレントたちにとって多少のリスクはあっても「出たい番組」の上位に位置付けられている。

正解を続けて“一流芸能人”になっても、不正解続きで“映す価値なし”になっても、タレントとしてオイシイ。さらにその間の“普通”“二流”“三流”“そっくりさん”になっても見せ場が多く、出ることでメリットの大きい番組なのだろう。

一方、『ドッキリGP』は「若手タレントの登竜門」というニュアンスこそあるものの、必ずしも「出たい番組」ではないのが実情。そもそも“ドッキリ”そのものが「いじめを思い出すから苦手」と避ける人もいる番組ジャンルであり、放送前の時点で視聴者層が限定されてしまう。

これは裏を返せば、「若く元気で愛きょうのあるSTARTO勢を起用することで、そんなネガティブなムードを感じさせないようにしたい」ということ。さらに「10〜40代のファンが多い彼らはスポンサー受けがよく売上が期待できる」というマーケティング上の計算が成立する。

実際、同番組は開始当初こそドッキリの内容を前面に押し出していたが、たびたび「やりすぎ」「いじめに見える」などのネガティブな声があがり、何度か打ち切り説も流れた。しかし、徐々にアイドルの出演機会を増やして明るいムードが増し、Snow Manや菊池風磨の人気拡大とともに存在感を高めている。

そんな経緯を知る業界内のテレビマンたちから見たら、コンテンツとしての健全性も、純粋な特番としての希少性も高い『芸能人格付けチェック』の優位は揺らがないのだろう。

最後に余談だが、Snow Manとtimeleszの先輩にあたる元V6の岡田准一がMCを務める新特番『THE FLOOR』(日本テレビ系、19時〜21時54分)も裏番組として放送される。

賞金1000万円をかけて32人が戦うゲームバラエティであり、世界30か国以上で放送されている局をあげた大型企画。あまりイメージのない岡田のMCも含め、どれだけ数字と話題を集められるのか。さらに後輩たちが集う『ドッキリGP』とも比較必至であり、もう1つの焦点となりそうだ。

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