現代では当たり前のように身近に存在するウェブサイトですが、基盤技術であるWorld Wide Webがティム・バーナーズ=リーによって発明されたのが1989年であることからもうかがえるようにそれ程古くから存在するわけではないため、最初に作成されたウェブサイトを見つけることは比較的容易です。では世界初のウェブサイトは一体いつ作成されたのでしょうか?

http://info.cern.ch

https://info.cern.ch/



「世界初のウェブサイト」はティム・バーナーズ=リー自身がCERN在籍中にWorld Wide Webを解説するため作成したものですが記事作成時点でもブラウザで見ることができます。実際に訪問してみると驚くほどシンプルな構成であることが一目でわかりますが、ソースコードレベルではどうなっているのか確認してみましょう。

<html><head></head><body><header>
<title>http://info.cern.ch</title>
</header>

<h1>http://info.cern.ch - home of the first website</h1>
<p>From here you can:</p>
<ul>
<li><a href="http://info.cern.ch/hypertext/WWW/TheProject.html">Browse the first website</a></li>
<li><a href="http://line-mode.cern.ch/www/hypertext/WWW/TheProject.html">Browse the first website using the line-mode browser simulator</a></li>
<li><a href="http://home.web.cern.ch/topics/birth-web">Learn about the birth of the web</a></li>
<li><a href="http://home.web.cern.ch/about">Learn about CERN, the physics laboratory where the web was born</a></li>
</ul>
</body></html>

ソースを一読してみると以下のことがわかります。

・<head>タグが存在するものの中身は何もない

・<head>タグとは別に<body>タグの中に<header>タグが存在する

・<header>タグの中に<title>タグが含まれている

<header>タグと聞いて我々が思い浮かべるのはHTML5から導入されたページのヘッダー部分やナビゲーション部分を定義するためのものですが、HTML 1.0以前のまだHTMLの仕様が確定していなかった頃は現在の<head>タグと同様の使われ方をしていたこともあり、先程見たコードがまさに「歴史的な使用法」の名残りであったわけです。

<header>: ヘッダー要素#歴史的な使用法 - HTML | MDN

https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/HTML/Reference/Elements/header#%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E7%9A%84%E3%81%AA%E4%BD%BF%E7%94%A8%E6%B3%95



トップページに4つあるリンクのうち最初のリンク「Browse the first website」をクリックすると、ウェブページの利用方法について解説しているページに移動します。

The World Wide Web project

https://info.cern.ch/hypertext/WWW/TheProject.html



先程と同様にソースコードを確認してみます。

<HEADER>
<TITLE>The World Wide Web project</TITLE>
<NEXTID N="55">
</HEADER>
<BODY>
<H1>World Wide Web</H1>The WorldWideWeb (W3) is a wide-area<A
NAME=0 HREF="WhatIs.html">
hypermedia</A> information retrieval
initiative aiming to give universal
access to a large universe of documents.<P>
Everything there is online about
W3 is linked directly or indirectly
to this document, including an <A
NAME=24 HREF="Summary.html">executive
summary</A> of the project, <A
NAME=29 HREF="Administration/Mailing/Overview.html">Mailing lists</A>
, <A
NAME=30 HREF="Policy.html">Policy</A> , November's <A
NAME=34 HREF="News/9211.html">W3 news</A> ,
<A
NAME=41 HREF="FAQ/List.html">Frequently Asked Questions</A> .
               (以下略)

やはりシンプルなコードであり、なおかつ時代を感じさせる記述が随所に見られます。

・<html>タグが存在しない

・<head>タグが存在しない

・<head>タグの代わりに<header>タグが使用されている

・<header>タグ中に<nextid>タグが存在している

・<a>タグにname属性がある

<nextid>タグは早々と姿を消したタグであり、<a>タグのname属性もHTML5以降は非推奨化されているので記事作成時点では目にする機会はほぼありません。またトップページと見比べてみても<html>タグや<head>タグの欠如など記述上の不一致が見られる点からHTMLの記述にも試行錯誤があったであろうことをうかがい知ることができます。

「History」というリンクに「プロジェクトの履歴の概要」と説明されているのでクリックして移動します。「世界初のサイトは一体いつ作成されたのか?」という問いに対する答えが見つけられそうです。

WWW Project History

https://info.cern.ch/hypertext/WWW/History.html



ページを下にたどると、最後に以下の項目がありました。

August 1992

introduction of CVS for code management.



よって、このサイトが作成されたのは最終的に「1992年8月」ということになります。