「お米」を台無しにする“間違った研ぎ方”とは。プロ直伝の「炊飯術」と回避すべきNG行為
米の入ったボウルに水を注いだら、力を込めずにサッとかき混ぜ、米糠が舞い上がって不透明になった水をサッと捨てる。そのまま米の表面にまとわりついた水分だけで、こねるようにして軽く米を研ぐ。少し研いだら水を足す。それを3〜4回ほど繰り返せばOKだ。
「米を手に取ってみて、糠のニオイがしなければ大丈夫です。その状態で残っている半透明の白い水はお米の旨味にあたるので、取ってしまうと逆にもったいない。過剰に洗いすぎないのもコツです。どうしても残り水が気になるときは、米をザルにあけて1〜2分ほど軽く水切りしましょう」
◆米と水の量を計って「30分〜1時間」浸けるのがベスト
研いだお米は水を注いですぐ炊くこともできるが、しばらく浸漬(水に浸けておく工程)を行うと、水が米の中に入ってふっくら感が増すことは良く知られている。普段は釜内側の目盛りと勘を頼りに、蛇口から水を直接ザッとやってしまいがちだが、ここでも実は「水の量を最初に計量することが凄く大切」だという。
「白米(研ぐ前)に対して最適な水の量は、一般的な家庭用炊飯器であれば米と水が1:1.4、今回使用する当社製の土鍋であれば1:1.2になります。今回はお米2号(≒300g)を炊きますので、土鍋であれば水360ml(≒360g)、炊飯器なら水420ml(≒420g)ですね。この計算方法を知っていれば1.5合や2.5合などでも上手に炊けるので、中途半端にお米が残っていてもしっかり使い切れるのが良い所です。」
この計算量をベースにして、若干固めのご飯が好みなら水を減らし、逆に柔らかくしたければ少し水を足し……と調整すればよい。また、浸漬の時間についてはどうすべきか。
「最低30分、できれば1時間以上浸けておくと良いですね。基本的にしっかり浸けておいた方が、炊き上がりにも間違いが少なくなります。丁寧に浸けたお米は炊飯器でよくある『早炊き』『エコ』などの時短モードでも、むしろパッとふっくら炊きあがりますよ」
逆に浸漬時間に上限はあるか尋ねたが、限界まで水を吸った米はそれ以上吸わないので、長時間浸けておいても大丈夫だという。例えば前日の夜や当日朝に研いだ米を水に浸けておいて、それを冷蔵庫などに保管しておけば、夜の仕事帰りなどにすぐ米を炊けるので便利だ。
◆備蓄米を美味しく炊くコツは「オリーブオイル」?
2025年は米価高騰への対策として、より安価な「備蓄米」の放出を巡って数多くのニュースが流れた。備蓄米を浸漬する時に、新米との時間の違いや、その他の注意点はあるだろうか。
「備蓄米は昨年もしくは一昨年のお米なので、新米よりも中の水分や油分が抜けてしまっています。普通に炊くとパサついてしまうので、新米以上に水に浸けておくことが重要ですね。また、お米を美味しく食べるための添加剤や米油もスーパーなどで販売されていますので、そうしたものを少量(1〜2滴ほど)だけ垂らすことがおすすめです」
米油については常備していない家庭も多いだろうが、そうした場合はオリーブオイルでも代替可能だという。比較的身近なオリーブオイルで古米を美味しくできるというのだから、意外かつ実践しやすいテクニックだ。ただし油であれば何でも良いわけではなく、ゴマ油などは香りが出過ぎるので非推奨とのことであった。
逆に新米は油分を含んでピチピチの状態にあたるのだが、その油分が水を弾いてしまうので、やはり時間を取った浸漬は重要なのだという。米が新しいか古いかに関わらず、しっかり30分〜1時間ほど水に浸けるのが肝心ということだ。

