この記事をまとめると

■密室空間のドライブデートは相手との距離を縮める絶好の機会

■気まずい沈黙が起こらないためには音楽や景色といった会話のきっかけ作りが有効となる

■運転技術や気配り、選曲センスなどが「また乗りたい」につながる要素に

ドライブデートをマスターせよ!

 いよいよ春、新緑の季節。気候も安定し、ドライブデートに最適・最高のシーズンの訪れだ。ドライブデートは、とくに付き合い初めの相手との距離を縮めるいいきっかけになりうる。

 普段の街なかデートとは違い、2人だけの空間になり、対面ではなく、横並びに座るため過度な緊張をしなくて済み、遠くへ行くというドキドキ、ワクワクがある。映画やショッピング、電車でのお出かけとは違い、時間を気にせず楽しめるところにもドライブデートならではの意味があるというものだ。

 1990年代、男子のデートマニュアル雑誌でもあった講談社「ホットドッグプレス」でクルマ担当をしていた筆者は当時、ドライブデート術をさんざん書いたものだが、平成時代と令和時代のドライブデート術は不変だと考える。

 しかしながら、付き合い初めのタイミングでは、車内という密室ゆえのトラブルも発生しがちだ。もっとも危惧すべきは、楽しさから一転、車内が沈黙に包まれてしまう時間だ。なんともいえない重い空気が漂い、そのリカバリにお互い苦心するかも知れない。横並びの狭い空間だからこそ、地獄の様相になったりする。

 その解消法を説明する前に、昭和、平成時代から脈々とつづくドライブテートの鉄則をまずは紹介したい。

 まず、最初に相手をピックアップするタイミングでは、ドアを開けてあげる。そして、丁寧で上手な運転に徹することだ。

 ドライブデートで相手にガッカリされがちな最大のポイントは、運転が荒い、下手という点である。もし、まだ運転初心者で自信がないなら、運転がうまくなるまで公共交通機関でのデートにしておくべきだと考える。運転下手は致命的な「嫌われポイント」になりうるからだ。

 筆者がドライブデートするときの心構えは、「病人を乗せているつもりで運転する」である。もっとも、ノロノロ運転をするということではない。スムースに走らせ、「上品ドライバー」に徹するということだ。運転にかかわるイライラ、暴走、他車への暴言などもってのほかである。

 また、ドライブ中の相手の様子を確認することも重要。寒い、暑い、気分が悪いといった様子に敏感であるべきだ。暑い時期、自身が暑がりでエアコンをキンキンに利かせていた場合、相手が寒すぎることもある。

「エアコンの温度は大丈夫?」というひと言は、ドライブデート成功のための平成からつづく魔法のワードのひとつでもある。なので、エアコンの温度調整の気づかいはもちろん、寒い時期ならひざ掛けの用意もあると喜ばれるだろう。こちらもポイント高し、だ。

沈黙を回避するカギは「会話のリレー」

 さて、車内が予期せぬ沈黙に包まれたときの対策だが、相手が無口になったからといって、ドライブそのものがつまらない、嫌われている、ということに即座に決まるわけではない。2人だけの空間でリラックスし、見たことのない風景に感動しているかもしれない。が、その沈黙時間が長くつづくようなら、危機感をもって打開策を打ち出す必要がある。

 その際のきっかけとなりうる方法としては、まず、ラジオをかけることだ。その内容から、会話が復活する可能性に期待がもてる。それか、相手の好きな音楽をかける。これは事前に相手の音楽の趣味をリサーチしておくのが好ましいが、その場で聞き出したとしても、音楽配信サービスを利用すれば即座に相手の好みのアーティストの曲を流すことが可能だ。

 走行中でも車内でボイスコントロールによって選曲できる「Spotify」といった定額音楽サービスに登録しているとなおいい。先日も、白銀の世界を走行中に「ユーミンの曲をかけて」と発声したら、「シャングリラをめざせ」や「ブリザード」などのユーミンの曲をクルマがかけてくれて、車内が一気に盛り上がったものだった。

 車内で実行できる音楽配信サービスは、令和のドライブデートの神器になりうるといっていいだろう。使える車種は限られるが、令和のドライブデート王になりたければそれができるクルマに買い替えましょう!!

 ちなみに、車内での音楽試聴にこだわるなら、オーディオにもこだわるべきだ。相手が普段高性能なイヤホンで音楽を聴いている場合、ダサい車載標準オーディオの音質では物足りなさを感じさせてしまう可能性があるからだ。

 筆者はそんな場面を想定して(!?)愛車にはデンマークのハイエンドスピーカーブランド「Dynaudio」の総出力400W、10チャンネル、9スピーカーのプレミアムサウンドシステムをオプション装着している。車内が高音質に包まれれば、「またこのクルマのなかで好きな音楽を楽しみたい!!」という好結果につながるかもしれない。ハイエンドのホームオーディオシステムが自宅にある人はごく限られているからだ。

 また、車内の重々しい空気を打開するため、いったん、どこか眺めのいい場所にクルマを駐めるのもいい。車外に出て新鮮な空気を吸い、リフレッシュすることで、場の雰囲気を変わるかもしれない。相手好みのスイーツが売っているような場所ならなおよい。

 彼女でも奥さんでも、もとは他人。趣味や特技に共通点があるとは限らない。そこで、お互いの趣味などについて話し合い、聞き出すことは、ベタながら沈黙を脱するひとつの手段となりうる。とくに相手の興味に質問返しすることで、会話の幅が広がること間違いなし。

 つまり、「会話のリレー」こそ会話術の基本ということ。なので、相手が知らないこちらの趣味などがあれば、喋りすぎることなく伝えるのもいいだろう。どこで会話が盛り上がる共通点が見いだせるかはわからないからだ。

 相手がドライブ好きという前提なら、行ってみたい場所を聞き出すのも非日常感とワクワクを引き出すのに有効だ。これも会話を盛り上げ、次のドライブデートに繋げられるであろう極めて効果的な沈黙打開方法となる。

 もちろん、ドライブデートの達人になるには、ドライブデートにふさわしいドライブ先、滞在先、観光スポットなどをある程度熟知しておく必要がある。かつて筆者はそのために(?)、トラベルスペシャリストの肩書きで国内外を旅し、「地球の歩き方」に連載をもち、ホットドッグプレス、女性誌、ムックなどなどで国内外の旅行記事を担当、執筆していた。いまでは女子ウケしそうな国内のリゾートホテルを中心に実泊リサーチを重ねていたりする。

 もし相手に愛犬がいれば、宿泊を伴うドライブデートの勝率は格段にUPする。「愛犬と泊まれて、一緒にフルコース料理をレストランで食べられるオーシャンフロントのリゾートホテルがあるよ」なんていう話題に引き込めば、「そんなところあるの?」となり、会話はおおいに弾み、愛犬同伴のお泊りドライブデート成功への道まっしぐらである。もっとも、お泊りドライブデートに誘えるかのタイミングは推しはかる必要がありますが。

 逆にNG行為としては、クルマにそれほど興味がない相手にクルマ自慢や機能のひけらかしをすること。ただし、相手がびっくりするような機能は、様子を見て紹介するのもいいかもしれない。そして、車内がシーンとしているからといって、いきなり面白い話を一方的にするのも、一発ギャグ的で逆効果なことも。繰り返すけれど、重要なのは会話のリレーをつなぐことだと覚えておきたい。

 最後に、相手がふいに沈黙してしまう可能性のある恐ろしいNG行為を紹介する。それは、前述した車内での音楽に関してだ。これは筆者の実例だが、かつて初ドライブデートでとあるサザンの曲を車内で流したところ、突然、相手が沈黙どころか泣き出してしまった。

 のちに相手の友達にその理由を聞き出してみると、「元カレとの思い出の曲で、その曲を聴くと過去の辛い別れを思い出してしまうから」ということだった。いやはや面倒な話だが、以来、なるべく最新の曲を中心にドライブデート曲を選曲している……。

 というわけで、会話ベタな人でも、以上のような「車内の沈黙」解消のテクニックをもっていれば、より成果あるドライブデートを実現できるだろう。健闘を祈る!!