『明治』の瓶入り牛乳。それは銭湯での湯上がり定番ドリンク。1928(昭和3)年に発売され、100年近い歴史がある『明治』の瓶入り牛乳がまもなく(2025年4月1日から)なくなってしまう。明日、明後日、銭湯に駆け込み、瓶入り牛乳を楽しもうではないか!

瓶のように飲める新たな容器とは

岡山県の片田舎で育ったボクにとって牛乳といえば、給食で出される「オハヨー」がすべてであった。

大学進学にともなって上京してみると、スーパーやコンビニに『明治』や『森永』といったそれまで製菓専門だと思っていたメーカーが牛乳を作っているではないか。さすが都会は違うなあと驚いた記憶がある。

さて、その後のボクの牛乳はもっぱら明治となっていった。「たけのこの里」を作ってるメーカーに間違いなし! という気持ちに加え、銭湯に行くと大抵の場合、明治の瓶の牛乳が置かれていたからである。

湯上がりの1本は格別なり。入谷の『白水湯』にて

湯上がり。フタを開け、左手を腰に当ててふた口ほどで飲み干す牛乳は冷たく、ほんのり甘く、水分を求める体に極上の喜びを与えてくれた。プハァ。飲み干した後、口の周りに髭のごとく残る牛乳を拭うのに、なぜか男らしさを感じたりもしたものだ。

ところがである。その湯上がりの楽しみを教えてくれた180mlの明治の瓶の牛乳がなくなってしまうというのだ!

「CO2排出量や瓶洗浄時に使用する水量の削減といった環境への配慮といったことを鑑み、宅配専用商品は瓶ではなくキャップ付きの紙容器への変更となりました」(明治 広報部)。時代の流れで仕方ないのかもしれない。銭湯で売られているのはこの宅配専用商品で、2025年4月1日からこの紙容器になるとのこと。

火照った手に涼をもたらすのも、左手を腰に当てたくなるのも、瓶だからこそなのに……。

とはいえ、「脂肪分の量はそのままに、脂肪球を多くしコクをアップする『あじわい贅沢製法』によって、牛乳は『搾りたてに近い豊潤なコク』。コーヒーは『まろやかなコク』を実現。贅沢なおいしさを楽しんでください」。これまでのよりおいしくなったのは朗報だ。しかし……と、さらに説明が。「飲み口の口径は瓶同様にゴクゴク飲める形成にこだわりました」とのこと。

これが新しい明治宅配の牛乳だ!

銭湯で“紙パックチューチュー”は…

紙パックでチューチューではだめなのだ。湯上がりには、ゴクゴクとふた口ほどで飲み干せる量を口に流し入れる口径が重要なのである。さすが明治、わかってらっしゃる!

銭湯で明治の瓶の牛乳が楽しめるのはあとわずか。

瓶は急げ! 銭湯に足を運ぶべし。湯上がりにごくりと楽しむべしなのである。

ありがとう!明治の牛乳瓶

しかし、明治をはじめ、各社が紙容器に移行してしまうと、ガリ勉くんを表現する“牛乳瓶の底眼鏡”なる形容がなくなってしまうんだろうなあ。

取材・撮影/武内慎司