「メルカリ」はユーザーが増えるほど利益が悪化!?直近の株価下落の原因も解説

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メインMCに経済学者の入山章栄教授を迎え、世の中に溢れる事実(ファクト)を感情論ではなく論理的(ロジカル)に読み解く、新たな経済討論番組『FACT LOGICAL』。

今回のテーマは『企業への提言』です。メルカリやホンダなど日本を代表する企業に、経営学のトップ3名がアカデミックな視点から、さらなる成長への提言を行います。

提言を行うのは、ミュージシャンでありながら一橋ビジネススクール教授の楠木建さん、元自衛隊で東大初の経営学博士の岩尾俊兵さん、そして我らがメインMCである早稲田大学大学院ビジネススクール教授の入山章栄さん。今回は、入山さんがプレイヤーとして参加するため、MCはこの番組ではお馴染みのモーリー・ロバートソンさんが代役に。

個性豊かな経営学者たちに、メルカリとホンダはどのように映っているのかーー。日本企業が世界を獲るためのヒントがあるかもしれない!?



最初のターゲットはメルカリ


最初に俎上? まな板? に載せられたのはメルカリ。濃厚なキャラクターの経営者3名は、日本を代表するネット企業をどのように調理していくのかーー。

まずは、ファクトとなる経営数字から見ていく。売上高は毎年急成長をしていることがわかるが、利益は21年度を除くと赤字になっていることがわかる。この売り上げと利益の差は、今回の注目ポイントになりそうだ。



メルカリには今後のストーリーが見えない!?


最初に楠さんは「ストーリーとしての競争戦略」という自著のタイトルになぞらえた提言を。


メルカリの個人間取引プラットフォームとしての独自性・競争力の高さを賞賛しつつ、問題点は「今後のストーリー」だと指摘。現在の強さをどのように拡張していくストーリーを描けるのか見えてこないという。

今後のストーリーの不透明さは投資家も感じており、そのことが直近の株価の下落に繋がっているのではないかとファクトと共に解説する。


展望(今後のストーリー)が見えてこない端的な事象として、未だにプロモーションに巨額の投資をしていることが挙げられるという。サービス立ち上げ時は、ユーザーが増えれば増えるほどネットワーク効果が働くので、プロモーションを大量投下することは重要ではあるが、すでに国内で確固たる地位を築いているにも関わらず、未だに同じ戦略であることが、残念だと喝!


最後に、楠木さんの個人的なメルカリへの希望として、プロモーションに巨額な投資をするのではなく、ラストワンマイルのリアルな物流部分に投資してほしいと提言した。



大発見! メルカリは利用者が増えるほどコストが悪化していた!?


続いて、東大初の経営学博士の岩尾さんからは「変形学習曲線への対応を」という学者感のある何とも難しい言葉が並んだ提言が。入山さんも「初めて聞いた」というリアクション!

それもそのはず、"学習曲線"という言葉はあるが、"変形学習曲線"という言葉は岩尾さんオリジナルとのこと。一体どんな提言なのだろうかーー。


そもそも"学習曲線"とは、学習時間や練習量が増えるごとに、習熟度や達成度が向上していくことを表したグラフ=曲線である。熟せば熟すほど習熟するため、時間が短くなったり、品質が良くなったりするという、ある意味、普遍的なことを表したグラフだ。

しかし、メルカリはこの普遍的な学習曲線が描けないのではないか! というのが岩尾さんの説。その論拠として、これまた岩尾さんオリジナルのグラフ(番組のために作成!)と共に解説。


メルカリの学習曲線は、利用者数が増えてもジグザグを描きながら、最終的にはコストが上がってしまっているという。一般的な学習曲線は描けず、まさに変形した学習曲線になってしまっている。

簡単に言えば今のメルカリは、ユーザーが増えれば増えるほど、物が出品されればされるほど、効率が悪くなっているそう・・・。効率が悪くなる原因は、メルカリの強みであるマッチングにあり、個人と個人のマッチングの組み合わせは無限にあるため、学習を積み重ねても効率が良くなるものではないという。

さらに"負のネットワーク効果"も効率を下げる要因になっているという。ユーザーが増えると、デジタルリテラシーが低いユーザーも増えて電話対応が必要になるなどのオペレーションコストの増加や、悪事を行うユーザーも多発してくるため、それらの取り締まりにも膨大なコストが必要となる。

上記のようなコスト上昇要因によって学習曲線が変形してしまうわけだが、岩尾さんによると、メルカリ以外の個人間の取引プラットフォームにおいても全て同じような事象が起きているそうだ。

プラットフォームビジネスの問題点としては大発見ではあるが、解決策はあるのだろうかーー。岩尾さんは現在研究中としながらも、相関関係があるものとして、知識共有を活発に行うことと提言した。

コストが増加するような問題が起きても、意外と隣の席の人が解決策を知っていて、簡単に解決できてしまうケースが多いからだという。複雑そうな話であったが、答えはシンプルなのかもしれない。

最後は我らが入山さんの提言・・・と思ったら「提言なし!」とメルカリを両手離しに賞賛!

たしかにメルカリは、多くのスタートアップの目標となっている素晴らしい企業ではあるが、番組の趣旨的に・・・(汗)。


メルカリは広告費を削ればすぐに黒字を出せるが、世界を獲るためにアメリカを中心に巨額の投資を続けていると褒めちぎった後、強いて言えば・・・と「IRのバランス」という少し聞きなれない言葉が混ざった提言を。


ここでいうIRは、Investor Relationsの意味ではなく、企業の国際戦略を考える上で活用される「I-Rフレームワーク」のI-Rとのこと。このフレームワークは、国際市場でグローバル統合(Integration)とローカル適用(Responsiveness)のどちらを重視するかで分類するものだという。


グローバル統合の代表例はApple。Appleはご存知の通り、世界中で全く同じ商品・店舗・広告コミュニケーションを展開している。一方のローカル適用は、Appleとは逆で進出する国ごとに商品・店舗・広告コミュニケーションなどを変えていく戦略だという。

両者はトレードオフなので、企業はどちらの戦略を行うか選択する必要がある。メルカリは、日本での成功事例をアメリカや他国でも貫くのか変えていくのか、しっかりと選択していく必要があるという。

我らがMCとして、賞賛だけで終わらずにしっかりとした提言もあり、一安心というところで、メルカリ編は終了。



今のホンダはトヨタと差別化出来ているか?


続いては、日本を代表する自動車企業の1社であるホンダ。最近少し影が薄い気もするホンダに、経営学者たちはどのような提言を送るのかーー。

影が薄くなってしまっている原因として、トップバッターの楠木さんは「ポジショニング。ホンダらしさが薄れている」と指摘。

そのホンダらしさを端的に表すエピソードとして、創業者である本田宗一郎氏がトヨタに勝つための提案を社員から聞いた際「(それは)トヨタにやってもらった方がいいんじゃないの?」と発言したことを紹介。つまり、トヨタではなくホンダでしかできないことを行うことが戦略の本質だという。

メルカリに続いて、老舗のホンダに対してもビシバシとロジカルに言いたいことを言いまくるーー続きは、日経テレ東大学で!


「日経テレ東大学」YouTubeチャンネルで配信中!です。お見逃しなく!

※番組情報
メルカリ・ホンダ…日本を代表する企業を“経営学”のトップ3が独自の理論で解決策を大提言!|FACT LOGICAL Season2

MC:入山章栄(早稲田大学大学院ビジネススクール教授)
ゲスト:楠木建(一橋ビジネススクール 国際企業戦略専攻教授)
岩尾俊兵(慶應義塾大学商学部准教授)
モーリー・ロバートソン(タレント・DJ・コメンテーター)

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