南米パラグアイでピラニアによる犠牲者が相次ぐ(画像は『The Independent 2022年1月7日付「Four people found dead in Paraguay covered in piranha bites」(www.alamy.com)』のスクリーンショット)

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今月2日、川で水浴びを楽しんでいた男性観光客がピラニアに襲われたというニュースが南米パラグアイより届いた。この事故を発端に今年に入って付近では5人がピラニアの襲撃で死亡し、20人以上が負傷したという。同地域でピラニアによる犠牲者が出るのは珍しく、地元住民は恐怖に陥っていることを『Fox News』などが伝えた。

ピラニア襲撃の犠牲者の1人である22歳の男性は今月2日、家族と共にパラグアイのアスンシオン南部イタ・エンラマダを流れるパラグアイ川を訪れていた。気持ちよく川を泳いで楽しんでいたのだが、男性の姿が見えなくなったことに家族が気付いて警察に通報した。

警察の捜査により45分後には男性の姿が発見されたが、顔や腕、脚にはピラニアによる痛々しい噛み痕が残っていたという。発見時には死亡していたと報道されているこの男性は、川で泳いでいる間にピラニアに襲われて川底に引き込まれてしまったものとみられている。

また翌日にはアスンシオン北部プエルト・ロサリオにて、49歳の男性が同じパラグアイ川の水面に浮かんでいるところを発見され、死亡が確認された。司法解剖を行った医師はこの男性の直接的な死因は溺死だと明かしているが、男性の顔や脚にはピラニアの噛み痕が見られたそうだ。

さらに翌4日には、前日から行方不明で捜索が続いていた男性がパラグアイ川に浮かんでいるのを海軍や同地域の自治体により発見された。この男性の遺体にも、ピラニアによると思われる複数の噛み痕が残っていた。

上記3件に加え、パラグアイ川の支流であるテビクアリ川にて2人の男性がピラニアに襲われて死亡したと現地メディアが伝えており、犠牲者はこれまでに5人にのぼった。他にもピラニアに襲われて負傷したという報告が相次いでおり、その数は20件以上にのぼるという。

のこぎりのように鋭い歯を持つピラニアは何にでも噛みつく獰猛なイメージが強いが、通常は人を襲うことはない。しかし干ばつの時期や10月〜3月の繁殖期には巣や子どもを守ろうとして攻撃的になるといい、雄のピラニアが噛みついてくる。しかしその攻撃が致命傷になることは少なく、今回のように複数の犠牲者を出すのは珍しいことから地元住民も困惑しているという。

なお先月には隣国アルゼンチンにて、川に足を入れて涼んでいた親子がピラニアに足指や踵を食いちぎられていた。

生物学者のヘクター・ヴェラさん(Héctor Vera)は「ピラニアが人を襲う場合は通常、足首や指先を狙う」と話しており、今回のように腕や顔にまで噛みつくケースは非常に珍しいと明かしている。

画像は『The Independent 2022年1月7日付「Four people found dead in Paraguay covered in piranha bites」(www.alamy.com)』『The Mirror 2022年1月6日付「Four bathers killed and over 20 injured in spate of deadly piranha attacks」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)