アップル、ナシマークのアプリ会社と和解。ロゴは少しだけの変更に

アップルが自らのリンゴ型ロゴと似すぎているとして洋ナシをモチーフにしたロゴのアプリ開発者に法的措置を取った件につき、両者が合意に達して円満解決したことが明らかになりました。

米特許商標庁(USPTO)に異議申し立てされたアプリ開発企業Prepearは、子供を持つ家庭向けに健康的な食生活を提供するSuper Healthy Kidsの子会社。問題となったアプリはレシピ探しや食事プラン作り、食料品の発注などを支援するものです。

訴えられたPrepearのロゴはどう見ても洋ナシであり、リンゴとは別ものに思えます。しかしアップルは「直角の葉っぱが付いたミニマリスティックな果実マークの商標は、アップルの有名なロゴをたやすく想起させ、似通った商業的な印象を作り出す」と主張していました。

これに対してSuper Healthy Kidsは数万ドルもの訴訟費用がかかるものの、ロゴを守るとともに「大手ハイテク企業が中小企業をいじめることには結果を伴うというメッセージ」を送るために受けて立つことに。それに加えてアップルに訴訟を取り下げるよう促す署名キャンペーンを立ち上げ、30万人近くの賛同を集めていました(現在では署名は終了しています)。

そんな争いに転機が訪れたのは、昨年(2020年)末のこと。USPTOの商標審判部(Trademark Trial and Appeal Board)に提出された文書から両者が和解に向かっている可能性が明らかになっていました。

そして新たに、USPTOの登録文書からアップルが既に和解に同意したことが判明。さらにSuper Healthy Kids共同創業者のラス・モンソン氏が「アップルとの商標問題を友好的に解決できることを嬉しく思います」と語り、今後数週間のうちにアプリのロゴを変更する予定だと付け加えています。

アップルが要求した唯一の変更は、葉っぱの形を変えるだけ。すでにPrepear公式サイトに新たなロゴが公開されていますが、葉っぱの下半分が切り取られたにすぎず、少し見ただけでは新旧の区別が付かないほど軽微な違いとなっています。

この件についてのアップルの公式コメントはありませんが、全世界の注目を集めて「中小企業いじめ」の印象さえ与えかねない危惧が、多少なりとも態度の軟化に結びついたのかもしれません。

Source:USPTO,The Verge

via:9to5Mac

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