中国メディアは、真心を込めたサービスに感動した体験を紹介する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本人の民度の高さはたびたび称賛されており、日本旅行が人気となっている中国でもよく知られてはいるが、それでも実際に日本に来ると感銘を受けて帰る人が多い。中国メディアの今日頭条は9日、真心を込めたサービスに感動した体験を紹介する記事を掲載した。

 記事の中国人筆者は、息子が日本に留学しているため日本を訪れる機会がたびたびあるようだ。先日の訪日では、帰りに大雨となってしまい気持ちまで曇ってしまったそうだが、飛行機に搭乗して離陸を待つ間に窓から「目立つかっぱ姿の4人組」が機体に向かって一列に並び、手を振り出したと伝えている。これを見て天候の悪化に暗くなった自分の心が温かくなり、灰色の目に光が灯るのを感じたそうだ。

 それだけでなく、乗客に向かって深々とお辞儀を下げ始めたのでいっそう驚いたという筆者。「どこかを離れるときに、誰かが見送り道中の安全を願ってくれているというのは、感動しないわけにはいかない」と振り返った。また、もしそれがマニュアルで決められていたとしても、やはり自分の仕事を真面目に一生懸命に行うというのは、「尊敬しないわけにはいかない」と感じたそうだ。

 筆者は、以前に出会った日本の観光バスの運転手からも、同様に日本のサービス業の真面目さを感じたという。白い手袋をはめ、乗降客一人一人にお辞儀して丁寧にあいさつしてくれる態度に感銘を受けたと振り返っている。宿泊したホテルでも、帰りに車からふと振り返ってみると従業員が並んで見えなくなるまでお辞儀をしていたと驚きを伝えた。

 日本と中国とでは、サービス業の概念が違うのかもしれない。中国では「人のために奉仕する」というフレーズが繰り返されるが、実践されるのを見かけることはほぼない。店員が威張っていて、面倒になると商品があっても「ない」と言いだすことはよくあることで、「ほかの人に聞け」とたらいまわしにされるのも日常茶飯事だ。

 筆者は、日本人のサービス業の質の高さに感動し、中国にも「潜在力はある」と前向きな見方をしているが、口先だけでなく「他人のために奉仕する」スローガンを実践するためには、まごころのこもった日本のサービス業を見習うのが良いだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)