緑黄色野菜が不足すると老化が早まり、生活習慣病などのリスクが高まるのはみなさんご存知だと思います。厚生労働省は緑黄色野菜の摂取量を1日120g推奨していますから、せっせと食べている人も多いのでは。基本的には現代人は緑黄色野菜の摂取量が不足しがちなので、日常生活の中で多目に摂る分には問題はありません。ただし、ある種の医薬品を摂取している人には注意が必要です。代表的なのが「抗血栓薬」を処方されている人。その理由について知っておきましょう。自分は関係なくても周囲には抗血栓薬を飲んでいる人がいるかもしれませんよ。

抗血栓薬とビタミンKの多い食品を同時に摂取してはいけない理由

血栓(けっせん)とは血管内の血液が塊(かたまり)を作ることです。そのはたらきは止血することで、血管が傷つけられた時に止血のために血小板がその傷の周りに集まってきて作られるのが血栓です。止血が済むと血栓は溶けて消えてしまいますが、血栓が溶けずにそのまま残ってしまうのが血栓症です。血栓症で血管が塞がれることによって、心筋梗塞や脳梗塞を招くことがあります。そこで血液をかたまりにくくする薬の抗凝固剤が処方されるわけです。

動脈硬化の傾向の人で抗凝固剤に当たるワルファリンなどの薬を処方されている人はビタミンKの多く含まれた食物を同時に摂ってはいけません、と処方される時に薬剤師さんや医師から説明を受けるはずです。「ビタミンK依存性タンパク質」のはたらきを抑えるはたらきが抗凝固剤にはあるのでその効果をビタミンKは邪魔してしまうからです。さらに恐いのは同時に摂取することで血栓の形成を逆に促してしまうこともあるといいます。

ビタミンKの多く含まれている緑黄色野菜

ビタミンKのKは凝固を意味するドイツ語のkoagulationからきています。文字通りビタミンKは血液凝固のはたらきに関与します。ですから、上でも述べたように凝固を防ぐ抗凝固剤の作用をビタミンKは阻害してしまうことになります。ビタミンKの多く含まれている緑黄色野菜は次のようなものになります。パセリ、しそ、モロヘイヤ、あしたば、しゅんぎく、バジル、ほうれん草などはビタミンKの含有量がかなり多いので注意が必要です。また、だいこんやレタスなども比較的にビタミンKは多いので注意しましょう。生の緑色野菜を搾った青汁にも注意が必要です。

薬と食品の食べ合わせによってはよくない相互作用の影響が出る組み合わせが知られています。薬剤師さんは処方せんやお薬手帳の情報を確認しますのでお薬が処方された時には食べ合わせなどの情報についても薬剤師さんと一緒にチェックされることをお勧めします。


writer:Masami