学生の窓口編集部

写真拡大

今年10月から導入された「マイナンバー」。税番号の名から無関係と思われるかも知れませんが、学生にも「関係大あり」なのはご存じでしょうか?

サラリーマンはもちろんのこと、学生もアルバイト先にマイナンバーを伝える義務があり、いくら稼いだのか、誰の扶養家族なのかが「ひも付け」されます。103万以上稼ぐひとは扶養控除の対象ではなくなるので保護者の税金がアップ、自分も住民税や国民健康保険の対象となるので、頑張り過ぎると支出が増える可能性もあるのです。

■家族の収入が「ひとまとめ」になる

マイナンバーの仕組みがもっともわかりやすい「サラリーマン」から説明しましょう。マイナンバーは勤め先に伝える「義務」があり、本人確認はもちろんのこと、奥さんや子どもなど「扶養家族」の情報も提出しなければなりません。これはいわゆる扶養控除(ふようこうじょ)など、税金が安くなる制度があるからです。

扶養家族がパートやアルバイトをしている場合、勤め先に自分のマイナンバーを伝える必要があり、

 ・扶養しているひと … 保護者

 ・扶養されているひと … 学生

の番号が「ひも付け」され、家族全員の収入が「ひとまとめ」に管理されます。

今までと何が違うの?と思うのが当然で、本来は「何も」変わりません。ところが従来は市町村単位で管理していたため、収入、税金や保険が「ひとまとめ」ではなかったので、極端な例では、

 ・学生 … ひとり暮らしでA市に在住

 ・バイト先 … B市

 ・実家 … C市・保護者が在住

のような状態では、A市の学生の収入とC市に住む保護者の収入が別々に計算されることも少なくありませんでした。対してマイナンバー導入後は確実にひも付けされるので、バイト代によっては、学生も保護者も支出が増える可能性が高いのです。

■いっぱい稼ぐと支出も増える

そもそも扶養控除とは何でしょうか? 小さい子どもは自分で生計を立てられないのが当たり前で、それを補う意味で税金が安くなる仕組みなので、バイト代が多ければ「そのお金で生活できるでしょ?」と判断され、扶養家族ではなくなってしまいます。その上限の目安が年間103万円、これを超えるとまず保護者の税金がアップします。

保護者はまず所得税の控除が減り、収入が増えたのと同じ扱いで住民税も増額、収入やほかの控除によって異なりますが、年収400万円なら約14万円アップが目安になります。

学生本人はどうなるでしょうか? 目安となる年収と発生するイベントをあげると、

 ・100万円以上 … 所得税

 ・103万円超 … 住民税

 ・130万円超 … 国民健康保険

が発生し、支出が増えることになります。

マイナンバー=増税のように聞こえるかも知れませんが、保護者と扶養家族の収入が「はっきり」わかるようになるだけで、税金や保険のシステムは何も変わりはありません。繰り返しとなりますが、アルバイトで高額を稼いでいたのに税金の通知が来ていなかったひとは「見落とされていた」だけの話で、あるべき姿に正された、と考えるべきでしょう。

サラリーマンが副業すると会社にバレる的な話も聞きますが、マイナンバーでわかるのは「金額」だけで、勤め先が公開されることはありません。もしバイト先からマイナンバーの確認を求められなかったら、なにか「訳あり」な企業かも知れませんので注意したほうが良いでしょう。

■まとめ

 ・マイナンバーによって保護者と扶養家族の収入が確実に「ひも付け」される

 ・税金や保険の制度はまったく変更なし。増税されるわけではない

 ・バイトで高額を稼ぐと、保護者は控除が減り、自身の支出も増える

(関口 寿/ガリレオワークス)