ペンタゴンの対麻薬テロリズム・プログラム事務局(CNTPO)は麻薬戦争を民間警備会社に外注している

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ペンタゴンには違法薬物の取締りを目的とするオフィスが存在する。人目には付かないが、影響力の大きな組織へといつの間にか変貌を遂げており、世界に散在する民間警備会社にとってのワンストップショップになっている。中には30億ドルを超える契約案件もある。

この大型契約の表向きの内容は、麻薬を資金源とするテロリスト対策だが、実際は、例えば「アゼルバイジャン海軍コマンドのトレーニング」ができる警備会社を探している。その他、「メキシコ公安当局のために」Black HawkやKiowaのヘリコプターの訓練や、パキスタン国境治安部隊のために、アフガニスタンに隣接する部族地帯にて「対テロ対策の強化」といったタスクもある。

国防総省の対麻薬テロリズム・プログラム事務局(CNTPO)は、上記のみならず他のタスクをワンパックにして、警備会社と巨額契約を結んでいる。この組織は一般的にはほとんど知られておらず、ペンタゴンを専門にウォッチしている者ですらそうだ。CNTPOは、自身の使命である麻薬対策の意味を極端なまでに拡大解釈しており、対テロ対策のメニューと同じような手段を多く採用している。また、連邦政府の中でも傭兵に費やす金額が最も大きい組織の1つでもある。

11月9日、CNTPOは包括的な契約を新たに締結したい旨を、密かに発表した。先述のセキュリティに関するサービスだけでなく、さらに多くのタスクが含まれている契約を、だ。CNTPOが保有しているキャッシュは膨大で、契約金の分配を来年8月までに始める予定だ。

CNTPOの契約上の上限金額は、「運用、物流と小規模な建築工事」が9億5,000万ドル、外国の軍隊のトレーニングが最も大きく、9億7,500万ドル。「情報」のタスクは8億7,500ドル。漠然とした名称だが「プログラムとそのサポート」にはさらに2億4,000万ドルが支払われる。

CNTPOは特異な存在である。少なくとも30億ドルを支払う――最長3年まで再契約できるので、恐らくそれ以上――のだから、民間警備会社にとっては最も儲けさせてくれる顧客である。これまでの最も大きな契約は、国務省外交安全局の依頼に基づく世界的保護サービス契約(Worldwide Protective Services contract)であり、その額は5年間で100億ドルであった。

CNTPOは「今後数年間、グローバルレベルの麻薬対策とテロ対策プログラムはアウトソーシングしていくという基本計画があり」「数十億ドルを支出する用意がある」と、政府監視プロジェクト(NGO)の調査ディレクターであるNick Schwellenbachは語っている。

多くの人はCNTPOのことなど耳にしたこともないが、この組織はペンタゴンの低強度紛争理事会に属し、麻薬や世界的な脅威に対処する政府のプログラムの一環である。しかし、その存在は官僚制度の中に深く埋もれており、実際にペンタゴンにオフィスがあるわけでもない。

CNTPOは、Mike Strandという民間人により運営され、1995年ごろから活動している。 2007年には、Blackwaterの子会社であるU.S. Training Center、軍事産業大手のLockheed MartinやNorthrop Grumman、Raytheon、ARINCと大型契約を結び、「様々な麻薬対策」を展開したと、Danger Roomに寄せた声明文にて述べている。その代償として、これまでに43億ドルが支払われており、現在の入札の先行指標となっている。

バージニア州FredericksburgのホテルでCNTPOの説明会が行われ、約180の警備会社が訪問した。CNTPOの担当者は誇らしげに語っている。


CNTPOは知名度こそないかもしれないが、ある種の人々にとっては悪名高い組織だ。

2009年に組織の変更があり、アフガニスタン警察を訓練するというミッションが国務省の手から離れ、約10億ドルの契約案件がCNTPOに突然委任されることとなった。CNTPOは、Blackwaterをその契約相手として密かに指名したが、別の契約でアフガニスタンに滞在していた同社の警備員が、なんとアフガン警察の銃数百丁を盗んでいたのだ。