Blackwaterのライバル会社であるDynCorpは抗議を行った。上院委員会がこの窃盗事件を突き止めたが、事態は変わらなかった。最終的には、Blackwaterではなく DryCorpが契約を12月に締結したのだが、これはCNTPOではなく陸軍による手配だった。

このような事件があっても、CNTPOの拡大は止まらない。新しい契約では、自身の使命について幅広い定義を採用していることがよく分かる。「密売や不法入国を原因とする、国家の安全保障上脅威となる以下のものを分裂、防衛ないし破壊すること:麻薬、小型武器、爆弾、前駆化学物質、不法入国者及び不正資金」。実際に行う活動は「従来の国防総省の枠組みを超える」ものであることを宣言している。

実際、どれくらい広い範囲なのか? CNTPOが課すタスクには、「アフリカのトランスサハラ地域における空輸サービス」から「メディアの分析や、パキスタン政府職員とのウェブサイト開発相談業務」までが含まれている。

CNTPOは小さくとも「グローバルな組織である」と契約書で述べており、「主要活動地域は中央および西アジア、サハラ砂漠以南、そして中南米に及ぶ」。しかし、契約に関する監督責任は比較的ローカルなエリアに任されている。

CNTPOによると、契約の監督はアラバマ州Hunstvilleにある陸軍契約司令部に外注しているという。CNTPOは「10人の契約担当員や専門家と共に、契約に関するサポート全般や、法律/政策の観点から契約や注文内容をチェックしている」という。CNTPOの発表によると、「プログラム管理と顧客サポート基準」もCNTPO自身が作成・保有している。10人の官僚が数十億ドルの契約をチェックした後、その金が世界中の民間警備会社にばら撒かれることになる。

戦時契約委員会は、戦争による資金の浪費を防ぐために議会によって設けられた機関だが、CNTPOを監督する権限はない。

「最大限の配慮が軍の助けとなる」と、ボルティモア大学法学部教授であり、同委員会の委員も務めるCharles Tieferは、アフガニスタン警察に関する契約についてCNTPO関係者にインタビューした際に語った。「民間警備会社への監視は、高くついて当然だ」。

CNTPOの台頭は、民間警備会社との契約における新たな傾向を示している。軍が行う最も重要なミッションにも関係しつつあるのだ。傭兵がアフガニスタンの基地を守り、アメリカの特殊部隊がそこで寝起きし、活動に従事する。兵士が捕虜になった場合、ガンマンに委託して救助活動を行う。民間警備会社の持つ追跡技術を利用してテロリストを探し出し、アメリカのコマンド部隊が殺害する。今や、民間警備会社は外国の部隊の訓練まで行っているのだ。

「こういった活動を行うのは特殊部隊がふさわしく、最高の人材によってなされるべきだ」と、Schwellenbachは述べている。「クリップや燃料、弾丸を運ぶ仕事とは違う、複雑かつ高度な業務内容であるため、通常の軍隊ではなく特殊部隊がそのための訓練をしている。この原則はきっちりと守られるべきだ」。



TEXT BY Spencer Ackerman
PHOTO BY Noah Shachtman
TRANSLATION BY GMOスピード翻訳/鈴木真一「ペンタゴンの対麻薬テロリズム・プログラム事務局(CNTPO)は麻薬戦争を民間警備会社に外注している」の写真・リンク付きの記事はこちら



【関連記事】
目覚めたら、まずはひと汗かく。“仕事”はそれからだ – WIRED MAN – Fitness from 『WIRED』VOL.2
Android携帯等の全履歴、プリインストールで無断収集
ブリヂストンの『非空気入りタイヤ』
「世界の携帯の3割」はスマートフォン
「iPhoneから火花」報告2件