初回のテイクダウンからトップキープが、試合の流れを決めた。同じ階級とは思えない圧力を持つバローニだったが、この5分間で完全にスタミナを消耗し、肩で息をするようになる

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3日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアセンターでONE Fighting Championship「Champion vs Champion」が開催された。1万2000人収容の同体育館を半分で仕切った会場の観客席をほぼ埋めるファンが訪れ、大いに盛り上がる中、セミファイルには、日本から吉田善行がジャクソンズMMA所属ファイターとしてケージに登場。フィル・バローニと対戦した。

予想通り、一発狙いのようなパンチを武器に前に出てくるバローニ対し、右ワキを差した吉田がケージに押し込んでいく。ヒザをついて一旦はダブルを狙った吉田は、再び胸を合わせて、ギロチンへ。すぐに首を引き抜き、距離を取ろうしたバローニを逃がさず、今度は左を差しあげた吉田が執拗に壁に押し込んでいく。

そのまま胸を合わせた状態で吉田は、右足でバローニの左足を刈りテイクダウンに成功する。しっかりとサイドを取って抑え込み削っていく吉田だが、バローニの動きに合わせバックをうかがったところで立ち上がられてしまう。しかし、直後にダブルレッグでドライブし、そのまま尻もちをつかせると、両足を抱えあげてバローニをマットに這わせた。

パンチやエルボーを落とした吉田に対し、バローニはラウンド終了間際に立ち上がるも、ヒザや左ハイを受け、相当スタミナを消耗した様子で初回を終えた。この1Rの攻防でペースを掴んだ吉田は、スピードの鈍ったバローニにスタンドでもローや前蹴りで距離を取る。それでも前に出てくるバローニに、真っ直ぐ下がった吉田が右ストレートを受けるも、すでに足が前に出ておらず、ほぼ手打ちのパンチになっている。

打ち気にはやるバローニに対し、ダブルレッグを仕掛けた吉田。がぶりがきつかったが、ここは自ら引き込むと、ハーフから起き上がりダブルレッグの形で上を取る。バローニのギロチンも足が利いておらず、首を引き抜いてバックへ。胸を合わせたバローニが立ち上がり、起き上がってくる吉田にパンチを見舞うが、ここで2Rがタイムアップに。

最終回も早々にテイクダウンを奪った吉田。バックに回るも、バローニが立ち上がると、観客席からは大きな声援が起こる。すると、続く吉田のダブルレッグによるテイクダウンで、さらに大きな歓声が。シンガポールのファンは、打撃志向というわけでなく、有効なアクションにリアクションを示す。

バローニはここでもギロチンを仕掛ける。2Rよりもタイトなギロチンだが、背中がピタリとキャンバスについており、パワーを腕に伝えることは難しい。吉田はハーフから足を引き抜き、マウントへ。トップをキープしながら、左のパンチ。やや乗りすぎのマウントは、バローニがケージを蹴り反転しようとする。吉田は右足がバローニの腰の下になりながらも、そのバローニの動きを利用してバックへ。バローニは再び背中をマットにつけ、吉田がハーフながらトップをキープする。

削られたバローニ。首を固められると両手を広げてブレイクをアピールするも、レフェリーはここでアクションを要請するにとどまる。再度、手を広げるバローニ。吉田は最後に袈裟固めからヘッドロックへ移行すると、ここでも観客席からは大きな歓声が沸き起こる。我慢強く、そしてリアクションの良い観客の姿勢が、レフェリーをブレイクに至らせなかったといってもいい。吉田はこのまま試合終了を迎え、判定勝ちを手にした。

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