4季連続の8位。最終戦はブーイングまじりも長谷部茂利監督の続投決定で改めて“覇権奪回”を目指す川崎はどう進むのか
鬼木達監督が率いていた2023年から続く“呪い”とも言うべきなのか。
いや、これが今の実力と言うしかないのだろう。
2度目の天皇杯制覇を果たした23年、鬼木監督のラストシーズンとなった24年、長谷部茂利新体制でACLEで準優勝した25年と3年続けてリーグ戦では8位だった川崎は、百年構想リーグでも最終節にEAST4位に滑り込んだが、WEST4位の広島とのプレーオフに敗れ、計20チームでの総合順位は4季連続の8位となった。
発足から1年半経った長谷部体制のテーマは、元来の攻撃力をより磨きつつ、守備を強化することだった。
しかし、百年構想リーグは10勝(PK勝ち3)8敗(PK負け1)で、ドローのままPK戦になった試合を引き分けと考えれば7勝4分7敗とまさに五分。得失点はマイナス4(23得点・27失点/得点数はEASTの10チームで6位、失点数は同ワースト4位)。来季の続投が決まっている指揮官も広島戦後に振り返った。
「結果を受けて、監督である以上、強く深く責任を感じている次第です。それはどういうことかというと、先ほど言った選手たちが表現できるように、つまり試合に勝てるようにできなかったというのが私の責任というか仕事なので、それが攻守に渡ってできなかった。切り替えの場面は比較的良くなってきたと思います。ただ、攻撃は昨年に比べて点数は少ないし、失点は相変わらず多いし、4点、5点取られるゲームはあまりないですが、相手が多く得点を取っている、我々のほうが失点は多いというのはあるので、そこは表現できていないなと思っています」
特にプレーオフ第2戦の広島戦の前半は、シーズン最初に戻ったかのような緩さを見せ、シュートをことごとく浴び続けた。確かに、第1戦を受け、広島は3−4−2−1のウイングバックに川崎のSBを食いつかせてその背後のスペースを狙うなど、弱点を突いてきた。指揮官も「恐らく(広島は)1戦目の試合から我々のウィーク(ポイント)を見つけて、そこを突いてきたように見えました」と語る。その対応で後手を踏んだ。
44分に先制され、0−1で迎えた後半は川崎が盛り返したとはいえ、トータルスコアを3−1とした広島が、試合をクローズしようと重心を後ろにズラしたとの見方もできる。
長谷部監督の下で積み上げてきた1年半の成果を――。そう臨んだはずの百年構想リーグの最終戦だったが、その想いに見合ったパフォーマンスを見せることはできなかった。試合後やその後のセレモニーでも多くの拍手とともにブーイングのような声が飛ぶ光景が広がっていたのもなんだか現状を端的に示しているようだった。
確かに、7位・8位決定戦への臨み方は難しく、前日に長谷部監督の続投が発表され緊張感も薄まったか、モチベーションを上げにくい状況であったに違いない。年代別の代表活動に4人を輩出し、怪我人も続出していたことで、広島戦の控えメンバーにはGKふたりを入れるなど苦しい台所事情でもあった。
それでもチームとしての積み重ねを見せる舞台であっただけに、不甲斐ない内容になってしまったのは残念としか言いようがないだろう。
指揮官も話したように、この1年半を経て、自分たちのサッカーを“表現できない”背景はどこにあるのか。キャプテンの脇坂泰斗に聞けばこう返ってくる。
「単純に自分たちのやりたいサッカーが100だとして、それを全員で100の理解をしていないとチームとして綻びが出る。それはどの組織でも同じだと思います。そこは守備の追い方もそうですし、最後のゴール前のところでどこを守るのか、最後のチャンスのところでどこにクロスを上げるとか、どこに入りこむとか、どこでボールホルダーを助けるかなどが足りていないと思うので、一人ひとりがそこの技術や走力、筋力など身体的な向上もそうですが、頭のところでも成長をしていかないといけないと思います」
