【大泉 りか】婚活をしていたはずが「女性用風俗」にハマってしまい...真面目な30代OLが「女風バー」で体験した”知られざる世界”
近年、女性たちの間でひそかなブームとなっている『女風(じょふう)』。セラピストやキャストと呼ばれる従事者が、女性客に性的な要素を含む施術をしてくれるサービスの総称だ。 2026年現在、女風は東京都内や大阪、名古屋、福岡などの都市部を中心に、全国各地で合計約350店舗あるといわれている。しかし、実際にどんなニーズがあり、どんな女性が「客」として利用しているのか。4月末に発売された大泉りか氏の『女風に行ったら人生変わった』(鉄人社刊)から抜粋して紹介する。
「婚活」のため、男性に慣れたかったOL
未婚の男女が結婚相手を探す〈婚活〉。マッチングアプリはもちろん、結婚相談所に登録したり、婚活イベントに参加したりして理想に近い結婚相手を見つけようとしても、成果を出すのは難しい。デートをして好意を抱いた相手と一回こっきり、もしくは何回かふたりで会ったとしても、付き合うまでいかなければ「自分は選ばれなかった」ということになる。そんなことが幾度か繰り返されれば、心が折れて諦めたくなるのも当然のことだ。
「婚活のモチベーションをあげるために、女風を利用してるんです」
臙脂色のニットとチェック柄のフレアスカート。くるぶしよりもちょっと上丈の茶色のショートブーツ。これから合コンにでも参加するような、いわゆるモテ服に身を包んだ有希(仮名、33歳、会社員)は、カラオケボックスの店員が運んできたアイスティーを一口含むとそう言った。
なぜ女風を利用することが婚活のモチベーションをあげることになるのか。むしろ好みのタイプの男性が選び放題な上に、おしなべて女性をエスコート慣れしているセラピストと接することで、婚活のハードルがあがってしまうのではないか。
どういう理屈でもって女風と婚活が結びつくのか理解できないでいると、有希はさらりと髪をかき上げて言葉を継いだ。
「わたし、5年ぐらい彼氏がいないんですよ。学生の時に付き合っていた彼氏とは、大学を卒業してしばらくして別れちゃったんですが、その当時働いていた会社がブラック企業で、忙しすぎて新しく彼氏を作る暇なんてまったくない状況で。30歳で転職したことをきっかけにようやく少し余裕ができたんで、そろそろ結婚相手を見つけなきゃって思うようになったんです。だって30歳で、いまさら恋愛だけ楽しむっていうのも、ちょっとなぁって感じですよね」
性格が婚活に不向きだと思ったから……
『男女共同参画白書 令和4年版』によると、日本に居住する女性の既婚率は、20代で約2割、30代で約6割、40代以降で約7割だという。30代以降、過半数が既婚者となることを考えると、30代半ばに差し掛かりつつある有希が結婚したいと考えるのも、まったくもって自然なことだ。ところがマッチングアプリを使って婚活をスタートさせたものの、有希はすぐに自らの性格が婚活に不向きであることに気が付いたという。
「初対面の男性をあまり好きになれないんです。斜(はす)に構えちゃうというか、張り合って攻撃的になってしまう。最初に就職したブラック企業で働いていた時に、男の人と張り合っちゃう癖がついちゃったんだと思うんですが……。背景を知らない人と出会っても、急に仲良くなるっていうのがどうしても出来ない。それじゃ婚活はなかなか難しいですよね。男の人といて、もうちょっと気楽にいられるようになりたいんだけど、どうしたらいいのかなって考えて女風を利用してみることを思いついたんです。女風の存在自体は、ウェブ漫画で読んで知っていて、もともと興味を持っていたんですよね。友人にすでに利用したことがあるって子もいて、いいって勧めていたのもあったし」
初対面の男性に対して、頑なになってしまうところがあることを自覚した有希は、男性に慣れるための練習に、女風を利用することを思いついたものの、最初から知らない男性とホテルで二人きりになるのは、やはり怖い。どうしようかと迷う中、「女風バー」の存在を知った。
女風バーで出会ったセラピストにプレイを申し込む
女風バーは、女風のセラピストが接客してくれるというコンセプトのバーだ。とはいってもホストクラブやコンカフェのように多くの店舗が存在しているわけではなく、都内にあるのは新宿歌舞伎町の『I AM THAT I AM』の一店舗(2026年3月現在)。
大阪にも系列店が存在している。ざっくり説明すると基本料金は飲み放題で60分3300円(税込み)からとお手頃で、気に入ったセラピストがいれば後日指名して施術を受けることができる。女風のセラピストは、兼業でやっている男性も多く、本業に差し障りがでないようにウェブサイトやSNSではあまり顔出しをしない傾向にあるため、女風バーは実際に会って話せる貴重な場所でもある。
女風を利用してみたいけど、どんなセラピストが来るのか不安だったり、まずは顔を見て利用するかしないかを決めたいという女性たちのニーズに適っていることもあって、2021年のオープン以降、人気を博している。
有希はそこで、出会ったセラピストのセツナ(仮名)に、プレイを申し込むことを決めた。
「マッチングアプリで出会った相手とは、いろいろ考えちゃってホテルに行くまでは発展したことがなかったんですけど、セツナさんとは数分、おしゃべりして『あ、この人いいかも』くらいで思い切れて、後日の予約を申し込みました。せっかく女風バーに足を運んだんだから、ここで決めるぞって自分を奮い立たせてたところもありますけど」
そして日を改めてホテルへ向かった。
【後編を読む】「女性用風俗」に行ったら人生が変わった…”推し活文化”が辿り着いた、「究極のコスパ体験」とは
