3か月半にわたり、怪我で離脱していたキャプテンが日本代表に合流した。MF遠藤航(リバプール)は国内合宿で全体練習にフル参加。「問題ないですね。基本的にちゃんとリハビリは向こうでやっていたし、ここで合流するためにやってきたのもある。(プレミアリーグ)最終節の前も、チーム全体の練習はずっとやっていたので。それは大丈夫」と、完全復活をアピールした。

 遠藤は合流初日から全体練習に参加。フィールド7対7のミニゲームでは最終ライン付近で落ち着いたプレーを見せた。激しい接触プレーは控えていたが、しっかり走り切って練習を消化した。

 2月11日、サンダーランド戦で遠藤は負傷した。「(足の)指と指をつないでいる靭帯の、1番目と2番目の靭帯が切れた」(遠藤)。長期離脱は湘南ベルマーレ所属時の肉離れ以来。手術も初めてだったというが、「ドクターに言われたらやるしかない」と決断。切れた靭帯を人工靭帯でつなぎ、リハビリがスタートした。

 リハビリ自体は順調に進んでいたが、北中米ワールドカップを見据えて、早めの回復を目指した。「普通のリハビリのプランよりは早めてプランニングしてやらなきゃいけない状況だった。タイトな中でリハビリのプログラムを進めた」。人工靭帯は「けっこう強いやつを入れているから、普通の動きで切れることはない」と、再発の心配も大きくはないという。

 メンバー入りにも不安はなかった。「とにかく全力でリハビリをやって、それで入らなかったらしょうがない」。W杯を4か月後に控えたなかでも、遠藤は冷静に日々を過ごした。

「焦ってもしょうがない。とにかく自分にできることをやるしかない。与えられたメニューをとにかくやっていくというところと、もちろん自分ではプラスアルファ、トレーナーもいるので、リハビリ以外でトレーニングはやっていた」

 痛みは完全になくなったわけではなく、負傷部位の周辺の張りや、それをかばうことによる新たな怪我の心配もある。メンバー発表のタイミングでリハビリのプログラムは終えたが、ケアをしながら戦いに備えている。

 そうして目の前に迫ったW杯。18年ロシア大会、22年カタール大会に続き、自身3度目の舞台になる。「このチームは長く一緒にプレーしている人たちが多いし、キャプテンとして監督と一緒に作り上げてきたイメージ、感覚がある。そういった意味では過去2回よりは、キャプテンとして挑むW杯なので、特別な気持ちにはなる」。ともに戦った仲間が全員そろったわけではない。南野拓実や三笘薫といった怪我をした選手や、メンバーに入らなかった選手にも、キャプテンは思いを馳せる。

「選手には常に怪我のリスクはある。なんでこのタイミングなんだろうというのは、僕も含めて考えた。怪我で来れなかった選手たちは本人が一番つらい。僕らにできることはそんなに多くはないけど、でも薫と拓実の分をプレーしなきゃいけないというのは、間違いなく僕ら選手たちに与えられた責任というか使命。一緒に戦ってきたけど入れなかったメンバーもいる。そういった選手たちの思いをしっかり背負ってW杯に挑まないといけない」

 プレミアリーグ最終節でベンチ入りこそしたものの、いまだ実戦復帰には至っていない。今月31日のアイスランド戦、6月14日のグループリーグ初戦オランダ戦を見据えたなかで、コンディションを整えていく必要がある。それでも遠藤は強気の一言。「おれはアイスランド戦で100%でやる気持ちでいるんで」。頼れるキャプテンは、国立競技場での完全復活を誓った。

(取材・文 石川祐介)