婚活では、女性は若ければ若いほど有利と言われる。本当にそうなのか。主宰する結婚相談所でカウンセラーを務めている大屋優子さんは「婚活市場で年齢が若いほど有利なのは間違いない。だが、20代でも結婚できない人がいれば、50代でも幸せをつかむ人もいる。明暗を分けるのは年齢ではない」という――。
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■婚活は若ければ若いほど有利なのか

「婚活は男女問わず一日も若いほうが有利」なのは間違いがない。

特に女性についていえば、結婚相談所の成婚データから見ても、30代前半までが最も多く結婚しており、35歳以降は徐々に成婚率は下がっている。

一方、男性は、30歳〜34歳は約半数が成婚に至っているばかりか、35歳を過ぎても40歳くらいまでは、年齢による影響を受けることなく、30代男性は結婚に有利な世代だ。

「婚活×年齢」というテーマで言えば、明らかに女性のほうが影響を受けやすいことは、以下のデータからも明白である(図表1)。

出所=IBJ成婚白書(2024年度版)

では、若ければ、自分の理想の相手と結婚できるのか?

20代なら、選びたい放題に、高年収高学歴のイケメン男性と結ばれるのか?

確かに、20代女性は、30代以降の女性が圧倒的多数に対しての希少価値もあり、お見合いが成立しやすく、人気も高いのは間違いない。

若いということは、出産やこれからの生活設計を考えたときに、男性からの安心感や期待感を持たれやすいからだ。とはいえ、20代でも婚活に苦戦する女性にはある特徴がある。「理想条件が著しく高く、見た目にうるさく、選んでやろうという気満々」の女性は、まず結婚できない。

「年齢が近く、学歴はGMARCH以上、年収は800万円以上で、清潔感あるイケメン」

そんな人は、婚活市場のみならず、20代の男性全体で見ても上位数パーセント。砂漠でダイヤモンドを探すレベルの男性を追い求め、ないものねだりで、その男性からのお見合いお申し込みを待つだけ。

結婚相手に求められるのは、第一に「人柄」以外の何物でもなく、若さを武器に相手への敬意すらない人を、誰が一生のパートナーにしたいと思うのか。

若いという年齢は、あくまでも入り口。この人と結婚したら、長い人生を安心して暮らせる、思いやりある人を男性は求めている。

若いという武器だけ振りかざしても、選ぶ側意識だけが高い、傲慢な女性が結婚できないのは言うまでもない。

■絶対に妥協できない「30代の婚活」

30代の声を聞くと、出産を考えた女性たちの多くが、結婚相談所に登録する。

特に【図表1】のデータからもわかる通り、35歳以上の女性たちの婚活は、一気にシビアになる。

20代の頃は、それなりに恋愛をし、男性からの声も多くかかっていた。大学を卒業後、勤めた会社では頼りにされ、それなりのお給料をもらい、仕事も充実、そんな中、周りの女友達は、あれよあれよという間に、結婚をし、子供を産んでいる。

ふと我に返って、子供を持つ年齢を考えたときに、あわてて登録した結婚相談所では、思いがけず、婚活の苦戦を感じるのが、30代半ば過ぎの女性たち。

お見合いが成立するのは、「ピンと来ない男性」ばかり。ピンと来ないという言葉の陰には、学歴、年収、見た目などが自分のレベルにふさわしくないという思いが潜み、結婚したい男性には出会えない。

だが、妥協なんて絶対にしたくない。

昔はかなりモテたのに、婚活市場には自分に合う男性は現れない。時間はどんどん過ぎていき、焦るばかり。ダサいと思っていた女友達の配偶者のほうが、ずっと良いじゃないか。なぜ私には良いと思う男性はいないのか。

婚活はつらい、つらすぎる……。自己肯定感は下がる一方で、年齢は上がる一方。「婚活うつ」と呼ばれる、メンタル不安に襲われる女性も少なくない。

総務省統計局「令和2年国勢調査」によれば、35〜39歳の男女計では、結婚したことがある人は67.6%で、3人に2人を超えている。年齢を重ねるほど、婚活に使う時間やエネルギーを惜しまず、お相手男性の「良い部分を見つけられる」かたは、30代半ばでもその「3人に2人」になれる。

結婚して、子供を持つラストチャンスの年齢のうちに結婚に滑り込めるか否かは、相手を減点方式で査定することをやめて、「一緒の人生を共に作れる相手」という視点で婚活できるかどうかにかかっている。

■40代後半で感じた「独身の恐怖」

48歳女性、大卒、年収800万円、初婚。

アパレル系の会社勤務の管理職で、ファッショナブルな装いと、洗練された雰囲気は、近寄りがたいくらいであるが、そんな彼女は「一人の老後の不安」にかられ、結婚相談所の扉をたたいた。

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それなりに稼ぎもあるし、今は健康で、趣味の旅行や観劇など、つまらないとは無縁の生活を送っている。

両親は高齢とはいえ、いまのところは地方の実家で元気で暮らしている。だが、将来親が亡くなったあとは、自分はどうなるんだろう。病気をして、入院したり手術をしたりしたら、誰が私の心配をしてくれるのか?

結婚せず独身でいることに、今までは何の後悔もなかった。だが、この先10年後、20年後はどうだろう。

そう思ったらいてもたってもいられなくなった。

■40代の婚活に“トキメキ”を求めてはいけない

彼女の希望は「年齢は5歳上まで。年下でも構わない。年収1000万円以上」であったが、お見合いを申し込んでくる男性は、50代半ばから60代の方が圧倒的。

中年太りだったり、髪は後退していたり、痩せていても貧相だったりと、彼女に言わせると「オジサンにしか見えない」男性で、中には彼女より年収が低い男性もいる。

彼女はこのお申し込みにぶち切れ、絶望する。

「私と並んだ時にバランスが悪すぎます」

確かに、彼女の気持ちはわからなくない。

アパレル業界に長くいるから、周りにはそれなりにオシャレに気を遣う、いわゆる「イケオジ」も多数いて、それらの男性陣はすでに誰かと結婚しているものの、婚活すれば、そんな男性と結婚できると思っていた。

彼女は、若い時から、チヤホヤされてきた。恋人がいたのはアラサーの頃だが、当時の彼氏には、クリスマスや誕生日にはロマンチックなデートにも連れて行ってもらった。

彼女の恋愛はその時代で止まっていて、年齢による上書きは一切されていない。

気持ちは夢見る夢子のまま、時は止まったままだ。

「私はメンクイじゃないです」と言うが、完全に「雰囲気イケメン」以外は拒否反応を起こす。

彼女は結婚相手に「トキメキやドキドキ感」を持てなければ無理。48歳ともなれば、立派な中年と呼ばれる年齢でもあるのにだ。夢見る少女のまま、年齢を重ねたアラフィフ女性の婚活は、厳しいことは言うまでもなく、わずか4カ月で結婚相談所を退会した。

■年収400万円男性の“誠実すぎる贈り物”

一方で、50代女性でも幸せに、穏やかな気持ちで、結婚相談所で出会い、結婚していく女性もいる。

54歳女性、専門卒、再婚、年収450万円、成人した子供が一人。子供は女の子で、離婚後はシングルマザーとして、子供を立派に育て上げ、就職。娘は、希望の会社に勤務したが、地方住まいとなり、母親は一人で埼玉県のマンションに暮らすこととなった。

娘から「ママもこれからは、ママの幸せを考えて」と言われたのを機に、結婚相談所に登録。彼女の希望は「私が第一に娘のことを考えていることを認めて応援してくれる男性」。ただそれだけであった。

彼女は長く、地元の大手スーパーに正社員として働いてきたので、今後も65歳までは仕事がある。離婚した元夫から、慰謝料代わりにもらったマンションもあり、一生住む場所にも困ることもない。

彼女が結婚することになった男性は、同じく再婚で、成人した男女の子供が二人いる、中小企業に勤務する年収400万円の心優しき男性。

元妻が引き取ったという子供たちが成人するまで、子供一人に対して、月3万円の養育費を、毎月給料日には何よりも優先し、きちんと払い終えたという。加えて、離婚時の約束になかったが、子供の成人式の際に、二人の子供に100万円ずつを成人祝いとして渡したとのこと。

彼女は、この話を聞き、この人は信頼できる、と感じたという。

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■「私には申し分のない相手」と2カ月で成婚

その理由は、離婚して養育費の支払いを約束していても、払ってこない男性が自分の周りにもたくさんいたこと、また自分の娘の成人式には、元夫からは晴れ着代の足しにと祝いなど一円ももらっていない。

決して高収入とは言えない彼の、預貯金を吐き出してでも、成人祝いを余分に渡すという子供に対する誠実な行動に、こんな男性も世の中にはいるんだ、と感心したのだという。

彼には、財産はないが、借金もない。彼の勤務先からは通勤時間が一時間半近くと遠いのに、彼女の職場に近いマンションに、ありがたいと言い、喜んで住んでくれるという。

そして何より、結婚の決め手は、彼女の娘を思う気持ちに寄り添ってくれること。常に彼女の娘を最優先に考えてくれることだ。別れた家族に対しての、彼の生真面目なまでの、誠意ある態度から、結婚後もこの人となら、家族となれると感じたという。

結婚において大切なことは、お互いの考え方や思いが釣り合うかどうかだ。年収がいくら以上とか、預貯金がいくらあるとか、高望みをしたくなる婚活の場面でも、「私には申し分のない相手です」と彼女は結婚相談所の入会からわずか2カ月で、晴れやかに成婚退会した。

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■シニア婚活は「見た目・学歴・年収」は関係ない

結婚相談所には、60代、70代の登録者も少なからずいる。

「一日でも若いことが有利」な婚活市場において、まったく別次元なのがシニアの婚活だ。筆者はこれまで、60代以上の女性たちの婚活をお世話をしてきたが、彼女たちは実に腹をくくった婚活をしている。

見た目がどうの、学歴がどうの、持病がどうのなどと、条件を振りかざす婚活とは一線を画し、地に足を付けた自分なりの目線で相手と向き合う。シニア層が結婚したい理由は様々だが、ほとんどの方が再婚のため、結婚に大それた期待や理想を追求しない。

「老後、一人で旅行したくないから」
「終の棲家を見つけたいから」
「老後の生活費が不安だから」
「子供を心配させたくないから」
「病気をしたときにいたわりあえる人が欲しいから」

……など、結婚したい理由が現実的な分、それを満たし、生理的に無理な相手でもない限り、一緒に暮らしていける相性のよさそうな相手であれば、決断は早い。

また、結婚相談所で婚活しているシニア男性の中には、それなりの資産があり、それを継承してくれる子供がいる女性を求めるかたもいる。つまり、隠れ資産家も存在している。

彼女たちは、何よりも「安心感」を求める。

とはいえ、婚活においては、年齢を重ねた分、行動やエネルギーは必要だ。待っているだけではなく、求める安心感を満たしてくれる相手との出会いを、積極的に求める行動をした女性には、結果も伴ってくるということになる。

■「人柄」で結婚相手を選べる人が幸せになる

結婚生活は、良いことばかりではない。苦しいこともたくさんあるのが暮らし。

幸せで楽しいときだけ一緒にいる関係ではなく、この人となら問題が起こった時にも二人で向き合って、ともに乗り越えていける関係を築ける相手であるかという視点で考えなくてはならない。

一緒にいて背伸びや無理をしないで、自然体で過ごせるか。感情をコントロールでき、急に不機嫌になることがないか。趣味もなく、友人もおらず、世間が極端に狭いあまりに束縛しないか。問題が起きても、原因はすべて自分以外の誰かのせいにする他責思考ではないか。

「健やかなるときも、病めるときも」どんな時も、二人で協力し合い、思いやり合い、寄り添える相手と出会い結婚することが婚活の目的。どんなにイケメンも老人になるし、中年になればお腹も出て、髪も後退する。

結婚相手において、条件や好きという感情より優先すべきなのは、言うまでもなく「人柄」に尽きる。結婚生活は長い。今も10年後も20年後も、ストレスがなく暮らしていけること。一緒にいると、穏やかに、自分らしくいられること。

結婚相手は、誠実で安心感のある人でなくてはならないという最低絶対条件だけは見落とさないでほしい。

■「いい人がいない」と嘆く前にできること

結婚適齢期ともなれば、どこからか世話好きな親戚や、お見合いおばさんが現れて、比較的簡単に結婚していった昭和の時代から時が流れ、結婚は以前よりずっと難しくなったように感じる令和の婚活。

大屋優子、現代洋子『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)

「一日でも若いことは婚活に有利」という考え方自体は間違いないとはいえ、20代でも考え方次第では、簡単に結婚できないし、60代でも幸せになっていく人はいる。

学歴や年収、見た目など自分が希望する条件ばかりを振りかざし、「いい人がいない」と嘆くよりも、自分が希望する結婚生活はどんな暮らしかを考えてみてほしい。その希望する結婚生活を共に築いていけそうな相手と出会うための行動を惜しまず、選ばれる努力をしてほしい。

それこそが、どんな年齢であっても、幸せな結婚を手に入れる秘訣だ。

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大屋 優子(おおや・ゆうこ)
結婚カウンセラー
1964年生まれ、株式会社ロックビレッジ取締役。ウエディングに特化した広告代理店を30年以上経営のかたわら、婚活サロンを主宰。世話好き結婚カウンセラーとして奔走。著書に『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)がある。
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(結婚カウンセラー 大屋 優子)