CCCのジモティー買収でTSUTAYAはバザー会場化必至 レンタルと書籍販売が行き詰まった店舗の向かう先
TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)がジモティーに公開買付(TOB)を実施し、子会社化する公算が高まった。買収額は最大で140億円近くにのぼる。
ジモティーは「中古あげます」「譲ります」の地元掲示板サイトで、手数料は無料。広告売上が主な収入源となっている。手数料収入で稼ぐメルカリとは収益モデルが異なり、地域密着型であることも大きな違いの一つだ。
地域密着型メディアを提供するジモティーとCCCにシナジー効果が生まれるのか疑問に思うかもしれないが、2社は昨年7月に資本業務提携をしていた。共同して取り組んでいるのがジモティースポットの拡大だ。CCCがフランチャイズに加盟し、ジモティースポットを出店するというものである。
ジモティースポットは、不要品を地域の人々が気軽に譲り合えるサービス。看板が掲げられている場所に品物を持ち込むだけで、必要としている人に無料で譲渡できる。引き取りを希望する人は、ジモティー上で掲載されている品物情報をチェックし、ジモティースポットにて購入、受け取りが可能だ。現代版「バザー会場」とも言うべきものである。
CCCはTSUTAYAの一部店舗をジモティースポットに転換している。兵庫県神戸市にあるTSUTAYAジェームス山店をリニューアルし、2025年10月に2社協業の1号店としてオープンした。
このジモティースポットの成長は著しく、ジモティーは2025年中に29店舗体制を構築。2026年には63店舗まで拡大する計画を立てた。ジモティーは2026年1月から3月の売上が22%増加し、計画を上振れるペースで成長しているが、それもジモティースポットあってのものだ。
CCCがそれを見逃すはずもないだろう。「TSUTAYA」の収益モデルは過去のものとなりつつあるからだ。
地域のエンタメ施設としての役割を終えつつあるTSUTAYA
TSUTAYAのレンタルサービスはすでに終わりを迎えていたが、収益基盤となっていた書籍販売の衰退も著しい。「TSUTAYA」のメガフランチャイジーであるトップカルチャーは、2025年10月期に7億円を超える赤字を出した。最終赤字は5期連続である。
業績不振の主要因が減収で、7期連続である。トップカルチャーは売上全体の6割以上を書籍販売が占めている。2025年10月期は0.8%の微減だったが、2024年10月期は4%、2023年10月期は9%近く落ちていた。
苦戦しているのは書籍だけではない。CDやDVDは配信の時代へと移り変わり、ゲームはダウンロードが主流となった。TSUTAYAはエンタメ施設としての役割を担っていたが、そのビジネスモデルは終えんを迎えようとしている。
かつてトップカルチャーとCCCはTSUTAYAリモデルを掲げ、コワーキングスペースや地域の特産品のポップアップショップを一部店舗に導入していた。しかし、新モデル店舗は浸透せずにとん挫。トップカルチャーは、店舗の空きスペースに100円ショップダイソーの展開を進めていた。
CCCがTSUTAYA再生の有効な一手を打てずにいたところ、「ジモティースポット」が姿を現したわけだ。
物価高を背景に、リユース市場は活況だ。リユース経済新聞の推計によると、2024年の市場規模は前年比約5%増の3.3兆円。店頭販売が好調で、前年比で8%も伸びて1.2兆円に達した。
ポイントはネット販売が前年比4%増で減速していることだ。フリマアプリは同1%程度の増加だという。停滞感は鮮明で、メルカリのようなフリマアプリには不利な状況なのだ。
実は5月18日にX(旧Twitter)にて、4.9%のジモティー株を保有するというアカウント「ぱりてきさす」氏が「メルカリに買収されるのが一番ハッピーだと思う。」とポストし、話題になった。確かにフリマアプリ市場が減速していることや、メルカリが実店舗を通じて顧客との接点を拡大できるなど、シナジー効果は大きそうだ。
仮にメルカリが買収することになれば、TSUTAYAのジモティースポット転換構想に狂いが生じることにもなりかねない。注目度の高いTOBになりそうだ。
文/不破聡 内外タイムス
