退団を発表した宝塚歌劇団月組トップスターの鳳月杏(撮影・宮崎幸一)

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27年3月28日付での退団を発表した宝塚歌劇団の月組トップ鳳月杏(ほうづき・あん)が19日、大阪市内で退団会見に臨んだ。

鳳月は純白のスーツ、パンツ姿で会見場に登場。「この立場に就任させていただいたときから、退団の時期は考えておりましたし、公演していく中でも、劇団の方々と相談して時期を相談して決めていた。大劇場4作と決めたのは、お披露目公演のゴールデン・リバティーが終わった後、4作と決めました」と退団に至る決断の経緯を話した。

同時退団が決まったトップ娘役の天紫珠李とは「就任したときから、卒業も同じタイミングでするという認識でおりました」といい、「改めて『私が卒業します』という伝え方はしなかったですけど、『侍タイムスリッパー』の稽古中に、卒業が確定したので、彼女の方からも改めて『一緒に卒業させていただきます』と報告をいただきました」と明かした。

20年の宝塚人生は「あっという間で、気がつけば20年っていう気持ち」と話しながら、「ひたすら目の前のことに向き合ってまいりましたので、まだ終わりなく、常に課題があるという状況が今も続いているので、超えられないものがあるのがすごく楽しいというのは自分で感じているので、そういう意味では常に課題があり、目標があるという感じで今も舞台に立っています」と振り返った。

転機になったのは花組への組替え。「月組で9年間舞台に立っていて、自分の持ち味だった足りないものを自覚していた時だったので、花組でまったく自分にないものをたくさん吸収させていただいて、舞台で自信を持ってパフォーマンスすることができるようになったのは花組に組み替えできたから。5年間いさせてもらいましたけど、あの経験がなければ今の自分はないというふうに感じています」

当時の花組トップ明日海りおも月組出身で、明日海には月組時代から世話になっており、「明日海さんの月組で培ったお芝居力とか、それを歌に乗せる力を下級生時代に尊敬していたので、組替えされる時はさみしかったんですけど、花組でまた同じ舞台に立たせていただていて、そこで月組エッセンスだけでなく、花組の男役力とか、ショースターみたいな部分を、ドンドン力にされているところを見て、常に目標というか。一緒にお芝居をさせていただくと、気持ちが通うようなお芝居が毎回、一言でもすごくうれしかったのを覚えています」と感謝した。

鳳月は06年、92期生として入団し、宙組「NEVER SAY GOODBYE」で初舞台。月組に配属された。14年、花組に組替えし、15年、「スターダム」でバウ公演初主演。19年、再び月組へと組替えし、歌、ダンス、芝居すべてを磨き、3拍子そろったスターに成長。24年7月、月城かなとの後任として、トップ制度固定後では最も遅咲きの19年目でトップ就任した。24年、全国ツアー「琥珀色の雨にぬれて」「Grande TAKARAZUKA 110!」で天紫珠李とのトップコンビお披露目。大劇場公演4作での退団となる。

退団公演「天穹のアルテミス」「Belle Époque(ベル エポック)」は12月12日に、兵庫・宝塚大劇場で開幕。東京宝塚劇場千秋楽の27年3月28日をもって退団する。

「お芝居の方が宇宙飛行士なんですよ。今まで宝塚歌劇で宇宙飛行士の話は合ったかなと思って、私自身、人と違うことをやりたいという気持ちで常に舞台に立っているので、この作品と聞いて始めてみるものがたくさんあるだろうなと思ってすごくうれしかった。

新鮮な宝塚みたいなものをお届けできたら。ショーの方はパリレビューというか、宝塚らしいショー作品にしていただけると聞いている。この立場になってから、オーソドックスなショーがなかったので、原点に戻ると言いますか、シンプルな男役の魅力をお届けできたら」と最後まで全力投球を誓った。