省庁の予算の無駄をAI点検、今夏に厚労省や国交省など実証実験…効果確認なら28年度実施
政府はこの夏、各府省庁の予算の無駄を点検する「行政事業レビュー」でAI(人工知能)の活用を始める。
事業内容の評価や改善提案といったレビューをAIに行わせる初の実証実験を実施する。効果が確認されれば、同様の機能を導入した新システムの運用を2028年度から開始する。
各府省庁は毎夏、事業の目的や予算額、成果指標などをまとめた「レビューシート」を作成し、外部有識者を交えて自己点検している。点検結果を踏まえて事業内容を改めて精査し、必要な予算を要求する流れだ。作成するシートは全府省庁あわせて毎年約6000部に上り、点検に膨大な手間がかかることから、AI導入で効率化を図る。
実証事業には、厚生労働省や国土交通省など約10機関が参加する。作業要領を読み込ませたAIに、全シートの1割にあたる500〜600部ほどを点検させ、改善点を提案させる。一部のシートは職員が同時並行で点検・改善提案し、AIの出力結果の精度や時間短縮効果を検証する。
シートの作成段階では、AIが会話形式で質問に答える「チャットボット」を試験導入する。多岐にわたる入力項目や大量の参照文書に関する問い合わせにAIが答え、煩雑な作成作業を手助けする。
行政事業レビューは、客観的なデータを使ったEBPM(科学的根拠に基づく政策立案)の一環で行われてきた。政府はAIの本格活用を通じ、取り組みを一層加速したい考えだ。
