“守る”ではなく“奪いに行く”。アーセナルが停滞感を打破するために。1−0を積み重ねるだけでは足りない。思考回路を変える必要があるだろう【現地発】
今季のアーセナルは、どこか「負けないこと」を優先してきた。1−0で勝ち切る。リスクを抑える。相手に流れを渡さない。もちろん、それは強いチームに必要な要素だ。しかし、タイトル争いのクライマックスでは、それだけでは足りない局面が出てくるだろう。
かつてマンチェスター・ユナイテッドで幾多のタイトルを獲得してきたウェイン・ルーニーは、そこを指摘している。ユナイテッドで、ルーニーはシティに得失点差でタイトルを奪われた経験を持つ。2011-12シーズンでのことだ。
今のアーセナルにも、同じ危険がある。
シティとの争いは勝点だけでなく、得失点差、さらには総得点まで絡む可能性がある。現時点で、アーセナルとシティの得失点差は、アーセナルがわずか1点のリードだ。
そうなった時、1−0を積み重ねるだけでは足りない。ルーニーが言うように、アーセナルは相手を倒し切る方向へ、思考回路を変える必要があるかもしれない。そう、アルテタ政権の序盤がそうだったように。
カイ・ハバーツは前線でボールを収め、味方を活かすことができる。だが、生粋のフィニッシャーではない。ヴィクトル・ヨケレスには得点力があるが、組み立ての質ではハバーツに劣る。エゼ、ウーデゴー、ブカヨ・サカが揃えば創造性は増すはずだが、それを慎重なゲーム運びのなかに閉じ込めてしまっては意味がない。
アーセナルは今、2つの巨大な目標を同時に追っている。
22年ぶりのプレミアリーグ優勝。そして、クラブ史上初のチャンピオンズリーグ制覇。その挑戦は美しいが、当然ながら負担も大きい。欧州で勝ち進むことは誇りである一方、国内リーグの強度と集中力を削る要因にもなっている。
リーグ杯はファイナルでシティに敗れ、FA杯もすでに敗退している。CL準決勝第2レグは5月5日。勝てば悲願の決勝進出。負ければ、またひとつタイトルの可能性が消えることになる。
アーセナルは、足踏みが続いている。準決勝の第1レグは、疑惑の判定にフラストレーションをためた。だが、怒りだけではタイトルは取れない。必要なのは、悔しさをエネルギーに変え、慎重さの殻を破ることだ。
ここから先は、守るチームではなく、奪いに行くチームでなければならない。アーセナルにとって、まさに正念場である。
取材・文●田嶋コウスケ
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