リーグ戦では、4月13日のマンチェスター・ユナイテッド戦で先発に復帰。チャンスに絡み、自らもパスカットから得点に迫るなど、2−1の勝利に貢献した。そこからリーグ戦で3試合連続の先発。今回のFA杯チェルシー戦のスタメンにつなげた格好だ。
 
 地元紙『ヨークシャー・イブニング・ポスト』でリーズを追うグレアム・スミス記者は、田中の序列が上がった理由についてこう見ている。

「まず、田中のパフォーマンスが良くなってきたのが理由として挙げられる。特にFAカップ準々決勝ウェストハム戦でのパフォーマンスが素晴らしかった。本当に良かった。田中はFAカップでは常時先発してきた。出場試合の中で、パフォーマンスレベルを上げてきたことが大きかった」

 加えて、チーム事情もあったという。

「193センチの長身MFアントン・シュタッハは、フィジカルの強さに加え、展開力とミドルシュートを備えるファルケ監督のお気に入りだ。そのシュタッハが負傷し、4月中旬から離脱した。中盤の選択肢が一つ減ったことになる。

 もちろん、ショーン・ロングスタッフら他の候補もいるが、田中はFAカップのウェストハム戦やマンチェスター・ユナイテッド戦で好プレーを見せており、それが継続起用につながった。2つの要因が、田中の序列が上がった理由だろう」
 
 FAカップの夢は終わった。今季のリーズに残されているのは、プレミアリーグの4試合となる。

 リーグ戦では現在15位につけており、降格圏18位トッテナムとの勝点差は「6」。来季プレミア残留はほぼ決まっている。それでもファルケ監督は「この敗戦に引きずられることはない。これからはプレミア残留に集中する」と話した。

 田中にとってもそれは同じだろう。ウェンブリーでの出来は、満足できるものではなかった。試合序盤の輝きはあったが、主役にはなれなかった。それでも、田中は再びチームの中で重要な位置に近づいている。好転している状況を、次のリーグ戦につなげることができるか。

「リーグ戦に集中したい」。短い言葉の奥には、そうした思いもあったのかもしれない。

取材・文●田嶋コウスケ

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