まさかの3部降格となったレスター。奇跡のプレミア優勝から10年、なぜ急速に没落してしまったのか。英国人記者が分析「チームを確実に蝕んでいった」【現地発】
レスターはプレミア優勝以降、22-23シーズンにチャンピオンシップ(イングランド2部)に降格したものの、翌シーズンに2部で優勝して1年でのプレミア復帰を果たす。しかし昨季、プレミアリーグを18位で終え、わずか1年で2部に逆戻りした。
そして今シーズンは成績不振に加え、イングランド・フットボールリーグ(EFL)の財務規則違反による勝点6減点処分を科されたことも痛手となり、2シーズン連続での降格となった。
まず選手たちの姿勢だ。チャンピオンシップにおいて、プレミアリーグから降格してきたチーム、しかもプレミア優勝経験のあるレスターと対戦するとなると、相手チームは彼らに対していつも以上に全力で挑んでくる。「今シーズンの最重要試合」と位置づけるほどだ。そんな対戦相手たちと比べ、努力やプレーの激しさが劣っているように見えた。
そして、クラブ上層部の責任も重い。オーナーのアイヤワット・スリバッダナプラバ体制のもとでの補強の失敗、度重なる監督交代、さらには勝点減点処分――。複数の判断ミスが積み重なり、チームを確実に蝕んでいった。
またジェイミー・バーディの退団による影響も小さくない。彼は単なるストライカーではなく、クラブの象徴であり精神的支柱だった。どんな状況でも前線から戦う姿は、チーム全体に火を灯していた。
現在、クラブオーナーとファンの間には大きな溝が生じている。ファンは幻滅し、クラブとの繋がりを失っている状況。これはクラブが繁栄し続けるためには、決して放置できない事態だ。
プレミアリーグ並みの給与を受け取る選手を抱えながら、来季はリーグ1(イングランド3部)で戦うことになる。さらに大金を投じて建設したばかりのトレーニング施設の資金調達も必要だ。
レスターは再建できるのか。
文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)
著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。
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