小泉進次郎防衛相が豪の国防大臣と絆を深め「軍人同士」と表現、国歌斉唱関連の投稿も削除し批判集中
小泉進次郎防衛相が19日、自身のX(旧Twitter)を更新。斎藤聡海上幕僚長とマーク・ハモンド豪州海軍中将の関係について、「軍人同士の友情」と投稿し、批判を集めた。
政府はこれまで「自衛隊は通常の観念で考えられる軍隊とは異なる」との見解を示してきたが、小泉氏は21日の記者会見で「軍人」と投稿した真意を問われると「トップレベルの交流や部隊間協力で積み上げられた関係を分かりやすく伝える観点で表記した」と釈明した。
小泉氏は18日、19日の日程で豪・メルボルンを訪問。18日はリチャード・マールズ副首相兼国防大臣と会談し、海上自衛隊の「もがみ」型護衛艦をベースにした豪海軍の新型艦を共同開発する契約が締結されたことなどを踏まえ、小泉氏は会談後の会見で「両国の防衛協力をさらに高みに引き上げる大きな一歩が踏み出された」と高く評価した。
今後は、日本の防衛装備品の輸出ルールが緩和されるとし、この件についても「同志国等の抑止力、対処力を強化することにつながる」と強調した。
そして19日には、マールズ氏が好んで訪れるという木の下で撮影した2ショットをアップし、「リチャード、いつもありがとう。この写真は宝物です」と記した。
ところが同日、別の投稿で「私が握手をしているハモンド海軍中将はこの夏にオーストラリア国防軍のトップである司令官に就任予定です」と、ハモンド氏と握手する姿を公開。すると、写真に写った斎藤氏について、「2人の間で笑顔の斎藤海上幕僚長はハモンドさんと親しい間柄」と紹介し、「私とマールズ副首相兼国防大臣 @RichardMarlesMPの関係に加え、軍人同士の友情も日豪関係の特筆すべき力です」と記したのだ。
この「軍人同士」というワードが不適切だと多くの批判を集める羽目に。自衛隊が「自衛のための必要最小限度の実力」を備える組織と憲法上で解釈されてきた以上、「軍」という表現が不適切だとして、ネット上は荒れに荒れた。
国歌斉唱した女性自衛隊員とのツーショット写真は削除
政治家による「軍」発言といえば、2015年3月に故・安倍晋三元首相が国会で自衛隊を「軍」と称したことで大きな問題となった。
安倍氏は、自衛隊と他国の軍で行われる共同訓練に関する答弁の中で、自衛隊を「わが軍」と呼称。その後、当時の菅義偉元官房長官が会見で、「(自衛隊が)国際法上は軍隊に該当する」などとして安倍氏の呼称は、差し障りないと説明している。
自衛隊をめぐっては今月12日、自民党大会で陸上自衛隊中央音楽隊の3等陸曹の女性隊員が壇上で国歌を斉唱したことに波紋が広がった。
自衛隊法61条は「隊員は選挙権の行使を除き、政治的行為をしてはならない」と制限しているが、この問題が明らかになった直後、小泉氏は同日に自身のXに投稿していた鶫(つぐみ)真衣3等陸曹とのツーショット写真を含むポストをすべて削除。このことについてもSNSで批判の声が上がっていたが、自民党の鈴木俊一幹事長は13日の会見で、「個人に対してお願いした」との認識を示した。
だが、野党からは自衛隊員の政治的行為を制限している法律に違反すると指摘の声が相次ぎ、14日に小泉氏が「職務ではなく私人として関係者からの依頼を受けて国歌を歌唱したものと聞いている」と釈明。隊員の歌唱について事前の報告は受けていなかったとして、報告体制を改善する意向を示したが、同日の参院外交防衛委員会では小泉氏を追及する質疑が連発した。
社民党の福島瑞穂党首は「党大会こそ最も政治的だ。そこに自衛隊が出てきて国歌を歌うことこそ政治的行為ではないか」と一喝した。
現役自衛官が制服を着用して自民党大会に出席するなど最近、何かと話題に上がる自衛隊。国会での追及は覚悟の上だろうが、小泉氏にとってはどこ吹く風である。
