「保護者説明会に出て、事故がいつ起こってもおかしくない管理体制だったのではないかと感じました」

【画像】亡くなった武石知華さん(17)

 そう語るのは、子どもを同志社国際高校に通わせる保護者の一人である。


学校の事故後の会見と保護者への説明に変化が…… ©時事通信社

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K-POPアイドルが大好きだった女子生徒

 3月16日、沖縄県名護市辺野古沖で、修学旅行中の同志社国際高校の生徒が乗る2隻の船が転覆。同校2年生の武石知(とも)華(か)さん(17)と、金井創(はじめ)船長(71)が亡くなった。船を運航していたのは「ヘリ基地反対協議会」という市民団体だ。

「米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡り、抗議活動を行う団体。“抗議船”は、乗客を乗せて運航するのに必要な事業登録も行っていなかった」(社会部記者)

 4月2日、団体はHPで謝罪。この間、武石さんの遺族が、事実解明に繋がる情報収集や誤った情報を訂正するために始めたのが、「note」への投稿だ。

 そこでは、武石さんの生い立ちも綴られている。武石さんは3歳から11歳までインドネシアの学校に通い、中学から同志社国際へ。ハーバード大のサマースクールに参加し、K-POPアイドルの推し活に熱中する――。彼女の幸せな日常が写真と共に活写される。

遺族が唖然とするほどの杜撰な管理体制

 ここで遺族が指摘しているのが、学校側の管理体制の不備だ。船に教員が乗っていなかったなど複数の問題点が言われているが、遺族は旅行について〈異質すぎて唖然とするばかりです〉とし、こう述べている。

〈事前の安全、認可、保険の確認を行わず、さらに現地での引率放棄をよしとしたその感覚には言葉を失います〉

 遺族が唖然とするほどの学校の杜撰な管理体制。それを裏付けたのが、3月25日に行われた、1・3年生の保護者向けの説明会だ。「週刊文春」はこの日の音声を入手。説明会は約3時間半行われ、まずは校長ら学校側からの謝罪と説明があり、その後、質疑応答となったが……。

「事故翌日の会見で説明した内容と異なる事実が判明する場面が、いくつもありました」(前出・保護者)

保護者説明会で判明したこと

 一つは教師による事前の下見について。会見では「今回は船には乗っていない」と回答し、現地には行ってきたような言い回しだったが、実際は辺野古にすら行っていなかった。

 波浪注意報が出ていたことも、会見では「教頭が波浪注意報について確認していた」と説明。だがこの日、「警報が出ていないことは確認していたが、注意報が出ていたことの確認に繋がっていなかった」と訂正した。つまり教員は注意報が出ていた事実を把握していなかったのだ。この件を校長は、教頭と「電話でのやり取りだったため、細かい齟齬が生じた」と弁明した。

 そしてこの日、保護者から多くの質問が寄せられたのが、ヘリ基地反対協議会の政治思想の問題だ。校長は、金井船長についてこのように説明している。

「キリスト教会の中で、金井牧師は、平和活動をされる方として非常に有名な方であったということもあり、(中略)私どもとしましては、その調査もせずに、信じてしまった」

 生徒を預ける相手のことを、まったく調べていなかったのである。さらに、なぜ“抗議船”に乗せたのかという問いには、

「私どもの認識としましては、抗議船に乗せたのではなく、あくまで金井牧師の船に乗せたというふうな認識でございます」

 だが説明会の数日後、過去の修学旅行のしおりに、ヘリ基地反対協議会からのお願いとして、「行動に賛同いただける方は、一緒に座り込んでください」との旨が書かれていたことが発覚した。この呆れた言い分が通ると考えているのか。同志社国際高校に質問状を送ると、概ねこう回答。

「(しおりの「お願い」の文言は)本校の生徒に宛てた文書ではなく、一般のかた向けの文書をそのまま掲載したものです。基地反対の活動を促す趣旨のものではございません」

 学校側の徹底した原因究明と体質改善が急務だ。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年4月16日号)