球団初の連覇がかかる阪神タイガースの藤川球児監督(45)がいきなり吠えた。開幕カードの相手は宿敵・巨人。1勝1敗で迎えた3月29日の第3戦、プロ初登板初先発の巨人ドラフト3位の左腕、山城京平(22)が2回、先頭の大山悠輔に続いて、伏見寅威にも死球を与えた。

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火の玉のごとく怒った藤川監督

「いずれも右打者の内角低めの厳しいコースを突いたもので、左足付近を痛めてその場に倒れた伏見を見た瞬間、藤川監督はベンチを飛び出して球審に猛抗議。

 一緒に行った小谷野栄一打撃チーフコーチは『狙うのもいい加減にしろよ!』と怒鳴り声を上げたそうで、藤本敦士総合コーチは睨みを利かせていた。いずれもマウンドの山城にではなく、巨人側の1塁ベンチを向いてのことでした」(球団OB)

「阿部監督が檄を飛ばしたといいます」

 一触即発の緊張感が漲(みなぎ)り、すわ乱闘か、と東京ドームに集結したファンが固唾をのんで見守ったが、巨人ベンチが動くことはなかった。巨人担当記者が続ける。

「背景には巨人の阿部慎之助監督の異例の指示があります。巨人は昨シーズン対阪神戦で8勝17敗と大きく負け越し、DeNA、ヤクルト相手に勝ち越して積み重ねた貯金の大半を吐き出した。

 今年が契約最終年でV逸すれば即退任が濃厚な阿部監督にとって、阪神戦は“絶対に負けられない戦い”。開幕前に『敵とエキサイトしても構わない。それくらいの気持ちで攻めろ!』と檄を飛ばしたといいます」

 いわば、乱闘上等の「喧嘩指示」を出していたというのだ。

プロのしきたりが分からない山城は…

「まだプロのしきたりが分からない山城は、監督の指示通り、果敢に攻めてあの死球。その後、藤川監督らの抗議で動揺したのか、後続にタイムリーを打たれ2点を献上。

 3回のマウンドでは、2塁打と連続四球でノーアウト満塁としたところで降板。3回途中5失点の結果となり、試合後に二軍再調整を命じられました」(同前)

 ネット上では阪神ベンチに対し「新人に恫喝かよ」などと批判も出た。試合後、藤川監督は「新人ですから、少しコントロールもつらいところがあったと思いますけど。また次回、良い投球をしてもらえればなと。ゲームが終われば、もう関係ありませんから」と冷静さを取り戻し、エールを送る余裕も見せた。

「藤川監督は3月27日の開幕戦でも、小幡竜平選手が左太腿付近に死球を受けた際に、ベンチを飛び出していた。

 巨人は昨季唯一の2ケタ勝利をマークした山粼伊織をケガで欠き、エースの戸郷翔征も調子が上がらず二軍暮らしで先発陣は苦しいまま。今後も厳しい戦いが予想されます」(前出・巨人担当記者)

 今年の伝統の一戦は色々エキサイティングだ。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年4月16日号)