暴力は暴力…疑問視される相撲協会の甘い処分
【記者の目】相撲協会は18年に暴力決別宣言を発表し、親方の暴力行為には厳しく対処する方針を打ち出していた。今回、伊勢ケ浜親方への処分は2階級降格と減給。師匠が弟子へ直接暴行した事実を考えれば甘い処分という印象は拭えない。
協会は過去の事例を引き合いに出し、伊勢ケ浜親方への処分は(1)自発的に報告(2)常習性がない、の2点を勘案したと説明した。20年に2階級降格に加え部屋閉鎖に追い込まれた中川親方(元幕内・旭里)は長期にわたって3人の弟子への暴行、暴言を繰り返した。同じく2階級降格や部屋閉鎖となった24年の宮城野親方(元横綱・白鵬)は弟子の北青鵬の暴力行為を報告せず、それが常態化を招いた要因と糾弾された。今回の事案はそれら悪質のものとは違うという認識が強調された形だ。
ただし、内容はともあれ暴力は暴力だ。ある古参親方は「大ケガを負わせても後から報告すれば許されるという問題ではない」と疑問視する。毅然(きぜん)たる姿勢で立ち向かわないと、根深い角界の暴力問題が消えることはない。(相撲担当キャップ・黒田 健司郎)
