ハンズフリー解錠に慣れたら後戻りなし。 Aqaraのスマートロック「U400」レビュー
家を出ると鍵がかかって、帰ってくるともう鍵が開いている。
そんなスマートロックのある夢の暮らしに、一歩前進!です。
Aqara Smart Lock U400(270ドル=約4万3000円)は、Apple Home Keyのハンズフリー解錠・施錠機能が使えるロック。前に自宅のドアに使っていたAqara U100よりは表面が丸みを帯びてるけど、見た目はほかのスマートロックみたいな黒の長方形で、キーパッド、指紋センサー、鍵穴付き。Matterを策定した無線通信規格標準化団体「Connectivity Standards Alliance」が新たに打ち出した、スマートホーㇺ向けデジタルキー専用規格「Aliro」のNFC解錠にも対応しています。
Aliro規格準拠の先行事例はいくつかありますが、U400はiPhone・Apple WatchのUWBの電波で居場所を検知してハンズフリー施解錠できるのが一枚うわて。2024年にApple(アップル)が発表した、Home Keyのハンズフリー施解錠がついに実現した形です。
汎用Matter規格準拠でどんなスマートホームのエコシステムでも、基本的に連動できるのもポイントです。Aqara社から発売中のハブを別途使う必要はありません。家にあるスマートホームのネットワークに、低電無線メッシュネットワーク規格のThread経由で接続すればOKです。
U400は高速で安定性が高く、設置もカンタン。解錠・施錠の方法は指紋からキーパッド、NFCスキャン、物理鍵まで幅広く揃っています。玄関のスマートロックはこれ1個で当分間に合いそうです。
Aqara Smart Lock U400
これは何?
ハンズフリーで開錠できるスマートロック。UWB対応。
価格
270ドル(約4万3000円。日本市場価格不詳)
好きなところ
・UWB接続でハンズフリー解錠できる!(iPhoneのみ
・Matter規格にも対応
・Samsung Galaxyのタップ解錠も使える!
・指紋センサつき
・動作がスピーディーで安定している
・充電式バッテリーが付いてくる
・設営がカンタン
好きじゃないところ
・現時点ではAndroidだとハンズフリー解錠できない
・Galaxy以外のAndroidスマホはNFCも使えない(同)
・ANSI規格(JIS規格のアメリカ版)のグレードが低い
・スマホをポケやバッグに入れたままだとハンズフリー解錠の感度が落ちる
・Samsung Galaxyのタップ解錠を使うにはSmartThingsが必要
UWBで居場所検知できるありがたみ
U400の外見はちょっとイカつくて、いかにもスマートロックとわかるデザイン。
外側のキーパッドは黒で、ドアを閉めるか、強めにタップしないと光りません。指紋センサーはキーパッドの下にあり、スライドしてカバーを外すと鍵穴が現れます。内側からカバーを外すと充電式電池、設定・リセット用ボタンが出てきます。
Thread規格準拠のApple Homeハブ (HomePod mini、Apple TV 4Kなど)が家にある人は、Home KeyのExpress Mode機能を使って解錠・施錠を自動で行なう設定ができます。設定後は認証なしで、ドアに近寄るだけで鍵が外れます。
もちろん同じようなことは先日レビューしたLevel Lock Proでもできましたし、アプローチは違えど結構うまくできていました。ただこちらはHome Keyの機能なので、Apple Homeでつながる家族であれば誰でも使えるのが違いです(各自手持ちのデジタルハウスキーでHome KeyのExpress ModeをONにする必要はあるけど)。
あとひとつの違いは、UWB無線接続のほうがLock ProのBluetoothより居場所を正確に検知できるので、どんぴしゃのタイミングで解錠できること。たとえばLock Proは軒先に近づくだけで鍵が開いたのに対し、U400はドアに手をかけるぐらいの至近距離にならないと鍵が開かなくて、最後の最後で気が変わって軒先の椅子に座ったり、階段を半分まで登ったところで踵を返したりすると、鍵は開きません。内側からドアに近づいても、うっかり鍵が開くこともなし。これは変な角度から散々攻めて確かめたけど、頑として開かないようになっていました。
こんなことができるようになったのも、iOS 18でAppleがHome Keyに改善を加えてUWB無線接続を導入したおかげ。これで居場所検知の精度が高まったというわけです。
でもまあ、いざ使ってみると「永久にハンズフリー」とはいかない面もありました。Apple Watch装着時には、ドアに近寄ってハンドルに手をかけるタイミングでちゃんと解錠するけど(自分のSeries 9、パートナーのSeries 8、子どものSeries 6で試したけど全部OKだった)、スマホだけだと反応が悪くて。腰より上にスマホを持ってればApple Watch装着時みたいに作動するのに、背中のバッグにスマホ入れっぱなしだとドアに背中向けて立たないと反応ナシ。ポケットに入れっぱなしのときも全然反応しなくて、膝を上げるか、外に取り出さないとダメなんですよね…。
うちは玄関のポーチがドアより一段低くなってるので、鍵が頭の位置にくるせいかなと思って(身長は約178cm)、段差のない状態で全部やり直して家に入ったら鍵はかかりました。同じ地面の高さでやれば、スマホをポケットに突っ込んだままでもずっと反応は安定するみたい(ドアにキスするぐらい近づけばもっと反応はよくなるけど、さすがにそこまではやりません)。
てなわけで、ポケットで感度が落ちる問題はありますが(段差のない家ではたぶんない問題)、UWB無線接続のハンズフリー解錠はめちゃ便利です。Apple Homeユーザーはこれ1つで「今買えるベストなスマートロック」に格上げかも。Androidにも対応が広がれば、みなそうなると思いますよ。ちなみに、SmartThings対応のSamsung GalaxyユーザーはAliro規格のおかげでスマホタップでU400は解錠できますが、ハンズフリー解錠がくるのは今年第2四半期になる見込みです。Google Pixelなど、その他のAndroidユーザーはいずれかの解錠方法に対応が進むまで要待機。
UWB接続以外の解錠方法に関しては、自宅のU100並みか、それ以上によくなっています。
NFCスキャンの解錠はものの1秒で終わります。タップで支払うときみたいに、iPhoneやApple Watchをキーパッドに近づければそれでOK。
指紋スキャンも一瞬です。U100(家を出るとき2回以上やり直さないとダメ)より安定しています。U400ならスマホでSiriに解錠を頼むときも、HomePodで施錠を頼むときも、2秒で終わります。これだけ早業だと、Siriのことも前向きに使いたくなります(これまで使ったスマートロックでは嫌々だった)。
キーパッドは少し慣れが必要。U100やTCL D2 Proみたいなスマートロックより力を入れないと起動しないし、入力もできないので。何回も入力し直したり、タップしまくって、やっとバックライトが光ってONになるって感じでした。力の入れ加減がわかってからは問題なかったけど、覚えておきたい点です。
Apple Homeで開くとこんな感じ
家のスマートホーㇺで、そのままスマートロックが使えるのはホントに助かります。メーカーのアプリだけに頼るロックより絶対いい。個人的には、及第点と満点くらいの差を感じます。
Aqara U400はMatter対応なので、Threadのルーターさえあれば無問題。どんなスマートホーム用プラットフォームでも連携できます(新しめのHomePod mini、Amazon Echoなど)。
Apple Homeで充分間に合ったから、使いはじめて何日かは、U400をAqaraのネットワークにつなぐのも後回しにしちゃってました。たぶんそのまま使い続けても問題なかったと思います。設定もできるし、ハンズフリー解錠も使えるし、ゲスト用アクセスコードの作成も、オートロック時刻の設定もApple Homeでできちゃうんですね。
U400内蔵のジャイロスコープでドアが閉まったことを検知後、一定間隔を置いて施錠するよう設定も可能。U400には音声プロンプト用メニューが装備されているので、キーパッドでそれを選べば指紋登録も時刻設定もできちゃう。Aqara社のアプリには一切触らなくていいんです。
Aqaraアプリで開くとこんな感じ
とはいえ、Aqaraのアプリが必要なタスクもあります。
スピーカーの音量調整、鍵を閉め忘れたとき一定間隔を置いてアラーム音で知らせてくれる設定なんかはアプリでやらなきゃだめ。10回パスコードの入力に失敗するとロックがかかってキーパッドが反応しなくなるんですが、試行失敗後どれだけの間隔をあけてロックかけるかもAqaraアプリがないと設定できません。Bluetooth接続オンリーのモードへの切り替えもアプリで行ないます(切り替えると遠隔アクセスすべてが遮断される)。
有名どころのエコシステムのハブがまだ家に1台もないなら、Aqaraアプリをスマートホームアプリとして使うことも可能。Thread×Matter準拠のAquaのハブ(Hub M3など)は必要だけど、それとU400と接続して自動化にほかのAqara製品を組み込んだりもできます。
設置&バッテリー
設置手順はU100と同じく、U400も簡単です。スマートロックや昔ながらの鍵を取り付けた経験者なら問題なくできるでしょう。僕自身、10分くらいで終わりました。
未経験者やしばらくぶりの人は、Aqara公式の設置ビデオが参考になります。同梱の取説だと、ケーブルを引いて外側部分と内側部分をくっつける手順とかあまりハッキリわからないので(穴を通して外側に引っ張らないと鍵の内側部分がドアに密着しない)。
U400には、USB-C充電バッテリーパックが同梱になってます。これはほかのスマートロックにも見習ってほしい点ですね。設置の途中で電池切れになることはなかったけど、終わったときには残量わずかでした(届いた段階ですでに充電が要る状態だった)。もう一度やり直すとしたら、ひと晩充電して、家に誰も帰ってこない夜中にやりますね。充電待つのは嫌なので。あとで充電時間を測ったら、ケーブルと充電器で最大100W余裕で充電でき、2時間でだいたい30%まで目盛りがいきました。
充電後、初めてバッテリーを入れると、キーパッドで設定するよう促されます。ドアに合わせてスマートロックを調整し、使う人の指紋やコードを設定したりのタスクですね。アプリやスマートホームのエコシステムに接続しなくても、その場で全部済んじゃうのですごくラクです。
あと、鍵にはMatter準拠のQRコードがあって、これをスキャンしたら、のApple Homeのネットワークに数分でつながりました。
バッテリー持ちに関しては、Aqara曰く、満タンで最大6カ月持つとのこと。半年使って確かめたわけじゃないけど、1週間半の試用後に確かめたら約15%減ってました。ちょっと減りが早い気がしますが、ふつうに使うときより、荒く使ったのもあると思います。ハンズフリー解錠を死ぬほど試したり、解錠・施錠を1日に何回もやったりしたので。普段そういう使い方はしませんからね。
Appleユーザーのためのスマートロック
Apple Homeと最近のiPhoneを持ってる人は、Aqara Smart Lock U400と相性抜群です。Apple Watchもあれば尚よしで、UWB(超広域帯)無線接続はやや不安定なのに、Apple Wsatchを着けているとたちどころに精度が上がるのには、正直ビックリしました。
Androidを使ってる人は、今はまだ「待て」かな。ほかを探したほうがいいでしょう。スマホで解施錠を叶えるスマートロック規格「Aliro(アリロ)」も2月に正式リリースされたばかりだし、AndroidだとまだUWB無線接続もできないので、もっと安いスマートロックとの違いがあまり実感できません。NFCスキャンより指紋や手のひら静脈スキャンのほうが手軽だし、本稿で言及したスマートロックみたいに、もっと安い解施錠方法はほかにもたくさんありますよ。
U400は米市場価格270ドル。UWB無線接続で近接検知してハンズフリー解錠できることを思えば、妥当な価格です。特に、iPhoneやApple Watchから出るUWBの電波が障害物にブロックされない状況では、とても高精度です。スマホをポケットに入れたままでも検知してくれたらずっといいのになあ、とは思うけど、Apple Watchにはきちんと反応するので玄関の戸締りはこれ一択。ほかの方法はもう使いたくない気分です。

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