八ちゃん

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4月に入り、街中にはビシッとスーツで決めた会社員の姿が目立つようになりました。新入社員や、春の異動で東京に赴任された方でしょうか。緊張感の中にもやる気がみなぎっており、見ているこちらも気合が入ります。全国各地の美味しいものをご紹介する「ご当地グルメ“旅”歩き」。当シリーズでは、転勤族の皆さまに読んでいただきたい、赴任先として人気の福岡と札幌の名物料理をお届けしています。初回はジンギスカンともつ鍋、前回は居酒屋をご紹介しましたが、大変お待たせしました。第3弾ではラーメンを取り上げます。言わずと知れた日本三大ラーメンの一角、「博多ラーメン」と「札幌味噌ラーメン」のお薦めの名店を2週にわたりご紹介しますので、どうぞご期待ください。

博多豚骨ラーメンの至宝「八ちゃんラーメン」――カプチーノのような泡スープに感涙

今週は福岡の「博多ラーメン」です。最初に、博多ラーメンを象徴する至宝と言われる「八ちゃんラーメン(福岡市中央区)」をご紹介します。大きな赤いちょうちんが目印で、深夜まで客足が途絶えない超人気店です。

八ちゃん

まずはビールと八ちゃん名物の「おでん」で喉を潤します。ラーメンを待つ間にほっこりする、最強の組み合わせと言えるでしょう。

八ちゃん(おでん)

ほどなくラーメンが到着しました。スープの表面には泡状のものが。同店の特徴は、スープを覆う細かい泡です。とんこつを徹底的に炊き込むことでできるとか。なんかカプチーノみたいですね(笑)。

八ちゃん(ラーメン)

実際、博多ラーメンには「カプチーノ系」というジャンルがあり、『博多ラーメン一双(福岡市内に3軒)』で広く知られるようになりました。同店は2012年(平成24年)創業ですので、さらに古い1968年(昭和43年)創業の「八ちゃん」はそのルーツと言えなくもありません。このスープ、ひと口すすった瞬間に豚骨の風味が口いっぱいに広がります。定番の極細麺をじゅるりと頬張れば、スープと麺の混沌としたハーモニーに感涙すること間違いなし。博多を訪れる人にはぜひおすすめしたい、豚骨ラーメンの聖地。ぜひお立ち寄りください。

「白濁豚骨」のルーツを天神で味わいたい、醤油を感じる「元祖赤のれん 節ちゃん」

続いては、『元祖赤のれん 節ちゃんラーメン天神本店(福岡市中央区)』をご紹介します。ここで少し、博多ラーメンの歴史をひも解いてみましょう。福岡でラーメン店が出来たのは、1940年代と言われています。博多ラーメンの特徴である「白濁豚骨スープ」を最初に提供したのは、「赤のれん」というお店だったとか。その流れをくむお店が、これからご紹介する「元祖赤のれん 節ちゃんラーメン」です。現在は福岡の中心部・天神にお店を構え、「赤のれん」のまさにのれんを守っています。

節ちゃん

同店は、メニューが豊富で、最初に「白菜の漬物系の一品(料理名は失念)」をいただきながらビールを飲んでいると、味わう間もなくラーメンが届きました。極細麺を特徴とする博多ラーメンならではで、何しろ提供が早い。

節ちゃん(白菜の漬物)

同店のスープは「八ちゃん」に比べると醤油系のかえしが強くでている印象ですが、醤油ラーメン好きの筆者にはぴったりな味です。もちろん、極細平打ちストレート麺との相性も抜群。どなたにも、博多ラーメンの美味しさを実感していただけるお店と思います。

節ちゃん(ラーメン)

ちなみに、当シリーズ初回に取り上げた「もつ鍋 一藤」が同じビルに入っています。福岡を代表する名店が同居しているとは贅沢なビルですね(笑)。一藤でもつ鍋とちゃんぽんを味わった後に節っちゃんの博多ラーメンで締めるのも、(太ること間違いなしですが)福岡の粋な楽しみかも知れません。

東京で本場の味を継ぐ、「博多麺房赤のれん」、明太子ご飯セットが嬉しい

節ちゃんで修業された方が、東京で2店舗を構えています。1978年(昭和53年)創業の『博多麺房赤のれん 西麻布本店(東京都港区)』は東京に豚骨ラーメンを広めたお店と言われています。2002年(平成14年)には『博多麺房 赤のれん 丸ビル店(東京都千代田区)』もオープンしました。西麻布店には、あの界隈で飲んだあとに何度か訪問したことがありますが、丸ビル店に先日はじめてお邪魔しました。

赤のれん丸ビル店

いただいたのは福岡の味がギュギュっと詰まった「明太子ご飯のミニらーめんセット」。自家製水餃子とビールを合わせ、本場の「赤のれん」を継ぐ味に感動し、博多ラーメンへの愛が止まりませんでした。

赤のれん丸ビル店(明太子ご飯のミニらーめんセット)

長浜ラーメンの「元祖長浜屋」、メニューの潔さに感じる原点の風格

福岡で食べる豚骨ラーメンの締めくくりに「元祖長浜屋」をご紹介します。はい、創業1952年(昭和27年)、「長浜ラーメン」発祥のお店です。

元祖長浜屋

福岡のラーメンで有名な「替え玉」は長浜ラーメンで始まったらしく、替え玉が前提になっているからか、デフォルトの麺の量は少なめだとか。同店のメニューは「ラーメン」と「替玉」「替肉」のみ。この潔さに、さすが元祖の風格を感じます。

元祖長浜屋(ラーメン)

長浜地区は博多漁港に近く、魚市場で働く人たちに人気があったと言われています。博多港もすぐ近く。「元祖長浜屋」でラーメンを満喫した後、筆者はフェリーで五島列島に向かいました。その様子は以前の記事でご紹介していますので、ご興味のある方はぜひ覧ください。

転勤の季節にお届けする、赴任先で人気の福岡と札幌のご当地グルメシリーズ。今回は福岡にある「博多ラーメン」を2軒、「長浜ラーメン」を1軒取り上げました。その違いは、一般的には「長浜ラーメン」のほうが味はあっさり、麺は極細と言われています。よそ者の筆者にはなかなか見分けがつきませんが、あえて「長浜」と銘打って東京で勝負するお店を、最後にご紹介して終わりたいと思います。その名も『中洲屋台長浜ラーメン初代 健太 東京高円寺本店(東京都杉並区)』。

健太

中洲、長浜、東京、高円寺、地名がいくつも散りばめられた何とも長い店名で、ますます「博多ラーメン」と「長浜ラーメン」の違いがわからなくなってきました(笑)。

健太(らーめん)

ただ、ワンオペで頑張るマスターを見れば、そんな悩みはさておき、純粋に一杯のラーメンを味わいたくなるハズです。その渾身のラーメンづくり、ぜひ一度ご覧あれ!

文・写真/十朱伸吾

おとなの週末Web専属ライター。全国のご当地グルメを求めて40年余。2013年には、“47都道府県食べ歩き”を達成した。訪れた飲食店は1万軒をゆうに超える。旅と食とお酒をこよなく愛するオプチミスト。特にビールには一家言あり。競馬と写真とゴルフも趣味。週1の自転車ツーリングとサウナでダイエットにも成功した。好きな言葉は「発想力は移動時間に比例する」。

豚骨ラーメンの聖地、博多・長浜の名店で食べた旨すぎるラーメンの数々(12枚)