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 ◇第98回全国選抜高校野球大会第5日1回戦 東北(宮城)5―1帝京長岡(新潟)(2026年3月23日 甲子園)

 東北の87年エースが、「リベンジ」の一戦を聖地で見届けた。

 87年8月16日、対帝京2回戦。相手先発は帝京長岡の現監督、芝草宇宙だった。当時の背番号1・橋本一成氏は、「あの当時のPL(学園)帝京は強いチーム。帝京打線は本当に怖かった。でも僕は3点以内に抑える、と言っていたんです」と振り返る。初回にいきなりその3失点。それでも橋本氏は、その後を踏ん張り、有言実行で9安打3失点で投げきった。

 「でもヒットを1本も打てませんでした…」。芝草の快投の前に打線は沈黙が続いた。ノーヒットノーランを浴びた記憶は、今でも母校の野球部に残り続けている。

 「2年前くらいですかね。芝草とラインでつながるようになって。“もしかしたら対戦があるかも。それが運命だぞ”なんて話していたんです。そうしたら実現した。だから“(甲子園に)行くぞ”と伝えたら“野次らないでね”と返信がありました」と橋本氏は声を弾ませた。

 試合はその芝草監督の姿が見える、バックネット裏の席で観戦した。「さすがに試合中に目が合ったりはないですが、指揮を執る姿はよく見えました」。

 初回に矢野匠望(3年)が中前打を放ち、呪縛からは解放された。「甲子園の観客席に入ってグラウンドを見たときに、いろいろな感情がわいてきました。勝ててよかったです。ここからは新しい我妻(監督)野球をつくってほしい」。「リベンジ」した母校の後輩たちにエールを送った橋本氏。聖地での「打倒芝草」に満足して心地よく球場をあとにした。(大木 穂高)