簡単に切り替えちゃいけない試合だと思いますし、0−5ってそんな簡単なことじゃない。それは分かっていると思いますが、選手全員で姿勢とかそういうところで見せていかなくてはいけない。それくらい重みのある試合だったと思います。

 連動して合わせていくとこがまだ足りないと言いますか、コンビネーションで崩すところも、自分たちは増やしていかないと、そこは個人の力はあるんですが、そこをみんなで選手のなかで合わせていったり、味方がこう動いたらこうだよねというのを1人、2人ではなく、3人、4人とつながっていく。そこを増やしていければ良いのかなと。そういう練習もたくさんやってもらっていますし、そこをどう合わせていくか、ずっと課題かなと思います」

 そして小林はこうも強調した。

「応援してもらって当たり前だと思っちゃいけない。そのためにもしっかり次に向かっていくしかないと思います」

 長谷部茂利監督が就任した昨季は、リーグ最多得点を奪った一方、失点数はリーグワースト3位タイを数え、最終順位は8位。守備強化と攻撃のさらなるパワーアップをテーマに掲げた指揮官の狙いは実現し切れなかった。

 そのうえで迎えた就任2年目はGKスベンド・ブローダーセン、CB谷口栄斗、SB山原ら即戦力を迎えたが、開幕戦で柏と5−3の打ち合いを演じるなど失点がかさみ、開幕からの数戦は被シュート数の多さも話題となった。

 そこで守備面の再整備に乗り出し、前節の東京V戦は2−0と今季初のクリーンシートでの90分での勝利を飾ったが、今節は5失点。長谷部監督も悔やむ。

「あってはいけないと思います。強いチームはクリアしたことをそのまま継続している印象です、考えです。昨年も同じようなことを繰り返して、あれができるようになったらこれが疎かになっている。この場で喋った気がします。今年はよくなりかけたところで大敗ですから、もう一度、自分たちがどういう道を歩んでいくのか、上り坂に違いありませんが、上がっていかなくてはいけない。そう思っています」

 果たして川崎はこの大きすぎる敗戦を受けて、どうチームとして、クラブとして課題に向き合っていくのか。

 何より不安なのはクラブがどういうサッカーを表現したいのか相変わらず分かりづらく、ここ数年、苦戦が続くなかで、個人的には0−5という敗戦にそこまでショッキングな想いがないところにある。それこそ、“勝者のメンタリティ”が薄まっていると言えるのだろう。

 一方で、勝つことがすべてではない、地域のために、支えてくれる人たちのために戦わなくてどうするんだ、という川崎には素晴らしい文化がある。そのうえで、今回の敗戦をクラブとしてどう受け止めるか。

 何よりもしていけないのは、シーズン中のひとつの敗戦として通りすぎ、また記憶が薄れ始めた時に同じ轍を踏むことである。

 遅すぎるとも感じるが、どれだけの人が危機感を持てるか。そこが大きな岐路のように映る。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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