終幕を印象づけた“ラストシーン”――世界が痛感した異彩を放つ大谷翔平の敗北「どれだけ偉大な選手も抗えない」【WBC】

最後の最後で打ち取られた大谷(C)Getty Images
メジャーリーグ屈指の強打者たちとの真っ向勝負に屈した。現地時間3月14日、野球日本代表「侍ジャパン」は、米マイアミのローンデポ・パークでベネズエラ代表とのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準々決勝に臨み、5-8と逆転負け。史上2度目となる連覇の夢は“過去ワースト”となるベスト8で潰えた。
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前回王者の衝撃的な敗北は、ドジャースに移籍して以来、幾度も栄冠を手にし続けてきた大谷翔平にとっての“敗北”も意味していた。今大会を彩るスーパースターとして、また侍ジャパンの顔として、開幕からチームをけん引してきた背番号16は、このベネズエラ戦でも異彩を放っていた。
相手主砲ロナルド・アクーニャJr.の先頭打者弾で失った1点を追う初回の第1打席には、お返しとばかりに先頭打者アーチをマーク。相手先発左腕のレンジャー・スアレスが投じた78.8マイル(約126.8キロ)のスライダーを捉えた狙いすましたような一打は、まさに千両役者と言えるものだった。
しかし、その一発も結果として勝利には結びつかなかった。奇しくもラストバッターとなった大谷が、遊飛に打ち取られた場面は、日本の終幕を色濃く印象付けるようでもあった。
個人としては“結果”を残し続けた。打者専任となった今大会は、打率.462、3本塁打、7打点、出塁率.611、長打率1.231、OPS1.842。得点圏打率も.500と、日本の得点機にことごとく絡んでいた。
だからこそ、日本が敗れた今、その存在は世界でクローズアップされている。中南米を中心に各国の野球情報を発信している米メディア『Al Bat』は「オオタニがラストバッターとして凡退した瞬間、侍たちの敗北が決まった。そして、その瞬間は、どれだけ偉大な選手であろうと、予測不可能な野球というスポーツには抗えないこともあると思い知らされるものであった」と、“ラストシーン”を描写。続けざまに「偉大な選手」と評した大谷が敗れたベネズエラ戦の価値を論じた。
「この決戦は、オオタニでさえも一人の人間であり、野球が驚きに満ちたスポーツであると思い返させた。もちろん、日本の敗北そのものは彼の功績を損なうものではない。むしろ、すでに輝かしい業績と数々の記憶に彩られた物語に、新たな1ページを刻むものとなるだろう。要するにこのWBCでの敗北からオオタニ伝説の新たな1章が始まったにすぎないのである」
悔しさがこみ上げたであろう経験をどう捉え、迫るレギュラーシーズンに生かすのか。日本球界全体の底上げが叫ばれる中で、大谷のさらなる進化からも目が離せない。
