若松駿太さん

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 人生いろいろ、家族もいろいろ、幸福の形もいろいろ。近年、「結婚がゴールではない」という声も大きくなりつつあるとはいえ、ゴールインした二人には幸せになってほしいと思うのが人情というものだろう。

 そして、そのゴールに到達するまでには、十人十色のドラマがあるのは言うまでもない。目下、幸せに包まれているカップルにエールを送りつつ、出会いから現在までを根掘り葉掘り聞いてみる「令和の結婚事情レポート」。

 今回登場していただくのは、2月1日に入籍した元中日ドラゴンズ投手の若松駿太さん(31)とSさん(28)。

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顔はうろ覚え

 学生時代から地元ドラゴンズの試合やファン感謝祭などに足しげく通い、在籍当時の駿太さんを応援していたSさん。駿太さんもその姿は認識しており、「ガツガツした感じはなかった」ことは覚えているが、名前は知らなかった。

若松駿太さん

 駿太さんはドラゴンズ退団後、BCリーグ・栃木を経て、2021年から福島レッドホープスにコーチ兼任で入団した。この頃にはSさんが駿太さんのSNSに応援メッセージなどを寄せていたが、22年5月の神奈川での試合に「応援に行くよ〜」。で、実際に彼女が愛知県から応援に来た。ただし試合は大敗し、すぐさまチームが移動することになったため、すれ違いに。

 しかし6月の試合で、今度ははるばる郡山まで彼女が応援に来る。「正直なところ、当時は顔もうろ覚えでした」という駿太さんだが、

この時に対面してファン感謝祭などを思い出し、「あの子か〜」と再認識。「ドラゴンズを退団して、僕のファンでなくなった人もいる中、こんな遠くまで来てくれて素直にうれしかった」と振り返る。遠路はるばる来てくれた感謝も込め、ファミリーレストランに一緒に食事に行ったのが初デート。推しとの食事に彼女は「緊張して何を食べたか覚えてない」。

“推し”から“好きな人”に

 その後も本拠地の郡山や近辺の球場へ応援に訪れるようになったSさん。駿太さんは「残念ながら来てくれた時にあまり勝てなかった」と苦笑するが、Sさんは「推しから好きな人に変わったよ〜」と猛アピール。駿太さんは「女性からでなく、男としてちゃんと言わなければ」と考え、8月29日、「お互いに好きだし、付き合おう」と交際を申し出た。

「ありがとう」と笑顔で答えたSさんだが、実は当時、5歳と、2歳の双子という3人の娘がいた。だが駿太さんにもすぐに懐き、双子が大好きなアンパンマンの世界を皆で訪ね、「仙台アンパンマンこどもミュージアム&モール」にも行くなど打ち解けるのは早かった。

 24年夏に駿太さんは現役引退とコーチ退任に伴う退団を発表。Sさんにとっては、ファンと選手という立場で始まった彼との関係だが「本人が辞めるというならその意見を尊重しようと思った」と回顧する。駿太さんは名古屋に戻ることを決め、25年からSさん、3人の娘と同居を始めた。女3人寄ればかしましいとは言うが、独身生活から一気ににぎやかな暮らしになった。

何でもない日のプロポーズ

 プロポーズは特に何の記念日ともかぶらない日に突如、行われた。同年12月20日、以前からSさんが欲しがっていたネックレスを事前に購入し、宅配BOXに届いたこの日。駿太さんは「先に宅配BOXを見られたらどうしよう」とドキドキしていたが、何とか見つからずに済んだ。

 Sさんが入浴している間に宅配BOXからネックレスを持ってきて準備を整えた駿太さん。風呂上がりで、頭にバスタオルを巻いたままのSさんをリビングで正座して待ち構え、ネックレスの箱を「パカッ」と開けつつ「結婚してください」。

 驚いたSさんが同封の手紙を読むと「同じ名字になってください」とあった。彼女は喜びの涙を頭に巻いたバスタオルで拭った。

「あまり飾らず、小さなことでも笑い合えるような笑顔の絶えない家族にしたい。楽しそうだな、いいなと人に思われるような家族が理想ですね」と駿太さん。Sさんも「何気ない日々を大切にできたら」と同調する。娘3人も喜び、特に長女は駿太さんの「匂い」をとても気に入っているとか。

 そう語る二人の笑顔が、5人の未来を明るく照らす。

「週刊新潮」2026年3月12日号 掲載