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 2024年7月にロケバス内で女性に性的暴行を加えたとして、不同意性交と不同意わいせつの罪に問われた、元お笑いトリオ「ジャングルポケット」の斉藤慎二被告(43)の初公判が13日、東京地裁で開かれた。20枚の傍聴券を求め、289人が抽選に並んだ。当選倍率は約14・5倍。争点となる「不同意」について斉藤被告は「私の行為に女性が同意してくれていると思っていた」と起訴内容を否認し、無罪を主張した。

 黒のスーツに紺のネクタイ姿で出廷した斉藤被告は、以前よりふっくらとした印象。緊張した面持ちで一礼せずに入廷し、弁護人席に着席した。裁判長から職業を問われると「芸人です」と、はっきりした声で答えた。

 起訴状によると、不適切行為は午前9時22分から午後0時9分の間に計3回行われた。最初の2回は被告が女性の頬をつかみ唇にキスをしたり胸を撫で触るわいせつ行為をし、3回目には頭部を手で押さえ、口腔(こうくう)性交をしたとされた。

 検察側は冒頭陳述で、女性に「肌奇麗だね」「彼氏いるの?可愛いね」などと言葉をかけ行為に及んだと主張。身を乗り出した被告に、女性が「やめてください」と両手を押し出し拒絶しても、行為は続いたとした。

 一方、弁護側はキスや性交があったことは認めたが「頬をつかんでいない」「頭部を押さえていない」と強制力の行使は否定。キスをした後、女性から「うれしいです。今日一日頑張れます」と言葉をかけられ「女性は自分に好意を持っている」と判断したと主張。「言い渡されるべきは無罪」と、「同意」の有無を巡り両者の主張が対立した。弁護側は「同意はあったが、反省すべき点もあった」とし、女性に対し謝罪と示談の交渉を進めているとも明かした。

 刑事事件に詳しい元大阪地検検事の亀井正貴弁護士は、過去の類似事例と照らし合わせ「物的証拠がなくても、話のつじつまや流れに信用性があれば有罪となる可能性が高く、一般的に無罪を勝ち取るのは難しい」と指摘。今後裁判は女性の証言や被告人質問に進むとみられ「早ければ2、3カ月で判決が出る可能性がある」とした。次回の裁判は17日に開かれる。

 ◇不同意性交等罪 2023年7月から改正法が施行され、性犯罪に関する規定が大幅に見直された。従来の強制性交等罪と準強制性交等罪を統合して、不同意性交等罪と名称が変更された。それまで、同意のない性的行為の構成要件が(1)「暴力・脅迫」など限定的だったが、法改正により(2)「障がい」(3)「アルコールや薬物」(4)「睡眠その他意識が明瞭でない」(5)「同意しない意思を示す時間を与えない」(6)「恐怖・驚愕(きょうがく)させる」(7)「虐待行為がある」(8)「経済的・社会的関係上の地位を利用」といった8項目の行為や原因が具体的に明示された。また、「性交等」には肛門や口への性器の挿入、膣(ちつ)へ性器以外を挿入する行為なども処罰の対象となった。