「あまりに酷い」なぜ台湾は怒るのか 紛糾された韓国打者の“無気力三振” 母国メディアが言われなき批判に猛反発「得点の意味がなかった」【WBC】

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賢く打席内で三振を選択したムン・ボギョン。彼は猛烈な批判の的となっている(C)Getty Images

 劇的な形で17年ぶりとなるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でのベスト8進出を決めた韓国代表。「失点を2点以内に抑える」かつ「5点差以上で勝利する」という極めて過酷な条件を同時に満たす必要があった彼らの熱き戦いは、ここ日本でも小さくない話題を生んだ。

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 そんな韓国代表の主砲ムン・ボギョンが思わぬ批判の的となっている。物議を醸したのは、9回表に韓国が7-2とした直後のワンシーンだ。

 この試合で先制2ランを含む3安打4打点と大暴れをしていたムン・ボギョンは、二死一塁と長打が出ればもう一点入るという局面で打席に入ると、その場に棒立ち。あっさりと3球三振。同イニングの韓国の攻撃を終わらせたのである。

 この行動に怒り心頭となったのは、台湾のメディアとファンだった。というのも、仮に韓国が8-3としての勝利を挙げた場合には、台湾代表が1次ラウンド突破という状況にあったからだ。

 台湾からすれば、その行動は「無気力」に映ったのかもしれない。台湾メディア『TSNA』によれば、一部の国内ファンがSNS上で「故意の三振なのか」「あまりにも醜い。スポーツマンシップはないのか」といった怒りの声や容姿に対する罵詈雑言が向けられたと伝えている。

 逆に言えば、打てば得点を生み出せる打席を迎えながら、勝ち抜くために「もう点は必要ない」と三振を選択したムン・ボギョンが冷静だったとも言える。無論、人格を否定される筋合いなどない。

 ゆえに韓国側は頼れる主砲に対する“攻撃”に真っ向から反発している。日刊紙『スポーツ京郷』は、試合後にムン・ボギョンのインスタグラムが「台湾ファンによる非難と悪口があふれている」と紹介。その上で「道を外れた人格攻撃にまで及ぶ台湾のファンこそ礼儀を失っている」と断じた。

 また、日刊紙『朝鮮日報』も「ムン・ボギョンの三振は韓国ベンチによる戦略的選択という見方ができる。7-2となった時点で『得点』を選択することに、あの時は意味がなかった。失点をしないことだけが重要だったのだ」と断言。25歳のスラッガーの冷静な対応を称えつつ、「ムン・ボギョンが最善を尽くさなかったというのは暴論に近い。人格を否定するレベルの悪質な投稿など論外だ」と糾弾している。

 当然ながら、韓国に直接対決で勝利していた台湾の悔しさは想像に難くない。しかしながら、SNSでの誹謗中傷に発展してしまうのは言語道断。許されるものではない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]